ニセコ地区のスキー場、ニセコHANAZONOリゾート(倶知安町)を経営する日本ハーモニー・リゾート(同)のコリン・ハクウォース社長は日本経済新聞に対し、同施設から約2キロメートル離れた休業中のニセコワイススキー場(同)を買収したと明らかにした。(2/21付 日経北海道版)
ニセコ・モイワスキー場に21日、「スキーリゾートとしては世界初のカプセルホテル」との触れ込みで「LODGE MOIWA 834」がグランドオープンする。(2/20付 朝日新聞北海道版)
様変わりするニセコだが、スキー場関連でいくつか動きがあった。まず、2009年以来休業をしていたニセコワイススキー場がHANAZONOリゾートを運営する外資・日本ハーモニー・リゾートに買収されることになった。ワイスはニセコグラン・ヒラフスキー場から北西約5kmの位置にあるリフト5基を備えた隠れ屋的なスキー場だ。1973年にニセコ高原観光(現東急リゾートサービス)などの出資により開業したが、1998年に休業。その後、地元企業のニセコワイス観光が施設を借りて再開したが、2009年に再び休業した経緯がある。
ニセコエリアの中では他のスキー場と連結していない独立したゲレンデであったが、最近はスノーモービルコース「ホワイトアイルNISEKO」という名称に変わり、バックカントリーとして人気を集めているようだ。雪上車で頂上まで上がると日本海が臨め、反対側のニセコ岩内スキー場に滑って行くことも出来る。ここには、かつて北海道振興の『ニセコワイス温泉緑館山荘』があったが、現在は定山渓第一ホテル系の『ニセコワイス寶亭留』が一軒宿として存在をする。
買収した日本ハーモニー・リゾートは、香港の不動産会社だが、運営するニセコHANAZONOスキー場とワイススキー場とを連絡リフトで結ぶ。HANAZONOはニセコ・グランヒラフと接続しているが、ヒラフとニセコ・ビレッジ(旧ニセコ東山)さらに隣接するアンヌプリもコース連絡をしているのでニセコの巨大化(ユナイテッド化)が進みそうである。
もうひとつビックリしたニュースとして、ニセコ・モイワスキー場にカプセルホテルがオープンしたことだ。よくよく考えてみれば、昔のスキーロッジには「スキーヤーズベッド」といって二段ベッドや急行「はまなす」のカーペットカーのような部屋がどこにでもあったので、それがカプセルに進化したということであろう。
実はモイワスキー場は積雪情報を見ても載ってなく、てっきり休業中(このスキー場、休業と再開を繰り返し、名前もよく変わる)かと思っていたが、営業をしていた。HPを見ると英語であり、完全に外国人専用といった内容であった。コンドミニアムなどニセコの宿泊施設は高級化しているので「カプセル」でも需要があるということであろうか。
このモイワはニセコエリアの中ではどん詰まりにあり、モイワ山から昆布温泉方面に下るプライベート感覚の中規模ゲレンデであるが、アンヌプリとは隣接しており、さらに反対側の五色温泉や前述したワイスとの連絡も可能である。そう考えるとニセコエリアのゲレンデは大半が連絡が可能であり、倶知安町だけではなく、ニセコ町、蘭越町、さらには岩内町まで及んでどこにでも行けるということである。
同じニセコエリアでは、蘭越町・湯本温泉(雪秩父で有名)にあるニセコ・チセヌプリスキー場が今シーズンから休業をしており、町から譲渡希望者の公募が出ている。ここも外資が食指を伸ばすか注目しているが、他のスキー場との連絡は地形的に難しいと思われ、町営の温泉と隣接、自衛隊員の演習で利用されるという条件もあるので外資の取得はないかもしれない。
現在、ニセコエリアのHANAZONO、グランヒラフ、ビレッジ、アンヌプリの4か所を「ニセコユナイテッド」と呼んでいるが、さらに全山を跨いだエリアに拡大するかもしれない。日本のスキーリゾートは建設ラッシュであったバブル期から施設が新設されることもなく、むしろ縮小が進むが、ここだけは別次元のようだ。
【追記】ニセコモイワスキー場は今シーズンからアンヌプリスキー場との連絡コースが完成したことがわかりました。facebook版の方に情報をいただきました(2/26)。
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