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幸福の黄色いハンカチ 山田洋次 朝間義隆 高倉健 松竹 2005-04-28 |
3日の夜、BSで「幸福の黄色いハンカチ」が放映された。これまで何度もやっているがじっくり見るのは今回が初めてである。
網走刑務所帰りの健さんと武田鉄也、桃井かおりによる北海道ロードムービー。2,3年に「風花」を見たが北海道とロードムービーはよく似合う。
出演者が皆若いのには驚くが、健さんの「不器用な男ですから」というセリフが、らしくて最高である。また、寅さんファミリーの出演が多く、山田洋次監督らしい作品である。1977年の作品であるが、登場するものすべてが懐かしい。
クライマックスは夕張の炭住で倍賞千恵子が黄色いハンカチを掲げて再会を果たす有名なシーンだが、そこへ至るまでの夕張のマチなみが興味深い。山には炭住がぎっしり張りつき、住んでる人の多さが伺える。商店街を歩く人や子供の数が多いのに驚くが、29年前は炭鉱が斜陽とはいえ活気が残っていたことが窺えた。
このロケで使われた炭住は「ハンカチ思い出広場」としてそのまま観光用に保存されている。昨年公開された「北の零年」(駄作)のロケセットも最近公開されたが、これからどうなってしまうのであろうか。
石炭の歴史村のような大型の箱モノの閉鎖はやむを得ないとしても、夕張の顔といえる「ファンタスティック映画祭」の中止がいち早く決定した。映画でマチづくりをしている夕張が真っ先に映画祭を中止にしたことに対しては失望した。
山田洋次監督のコメントが印象的だ。 「市の自慢として、市民の心の支えとして、続けていきますと、なぜ言えないのか」
映画のマチ夕張が本物であるかどうか真価が問われる。
一市長の趣味で始めた映画祭と、夕張の歴史・文化を伝える歴史村とどちらが大事だろう。歴史村にも石炭に直接関係無い施設があり、これらの閉鎖は仕方ないだろうが根本的に性格が異なるのではないか。
フジ・サンケイや映画業界に多額の運営費が流れ、市内への経済波及効果はほとんど無かった官製映画祭である。ほんとうに映画人が夕張に感謝しているなら、映画人が勝手連的な組織をつくり夕張で映画祭を開催して欲しいものた。
夕張次郎さんへ
投稿ありがとうございます。映画祭など夕張で開かれるイベントやつくられた施設の多くが大手広告代理店の案をそのまま市が呑み込んで実施したと聞いています。
歴史村の件ですが、石炭関連の歴史施設と遊園地などのハコものは別物と考えています。言葉が足りませんでした。また、映画祭についてですが、確かに市民の手から離れたイベントであることは雰囲気でわかります。
しかし、全国に夕張という名を知らしめた意味では非常に訴求効果が高いイベントであったと解釈しています。
是非、市民の皆さんで映画祭は継続していただきたいと思います。