ウィラーが遂に上陸、無風だった北海道のバス業界にも変化の波が押し寄せそうだ

ウィラーが遂に上陸、無風だった北海道のバス業界にも変化の波が押し寄せそうだ

rakutokubus.JPG
中央バスと共同運行をする13社の予約ポータルサイト「楽得バス13」
道内のバス業界の動きが慌ただしくなっている。ツアーバス(募集型企画旅行)の国内最大手であるウィラー・トラベルが北海道に上陸。貸切バス最大手の銀嶺バスがネットワークする「北海道アクセスネットワーク」と提携を結び、同社の手掛ける北海道リゾートライナーがウィラーのサイトで予約可能となった。
また、道内都市間(高速)バスを運行する13社が、「楽得バス13」を立ち上げた。13とは運行会社の数のことで北海道中央バスと共同運行各社の数で、北海道限定の定期乗合高速バスの予約ポータルサイトである。
さらに前述の銀嶺バスが傘下の北都交通と主体となって運行する高速バス(乗合)と定期観光バスの予約ポータルサイト「バスNAVI北海道」を立ち上げた。こちらは、札幌瀬棚線・特急せたな号、札幌根室線・オーロラ号、千歳帯広線・とかちミルキーライナー、函館定期観光バスの各路線の予約が可能だ。
これまで道内の乗合高速バスは北海道中央バスが束ねるかたちで安泰であった。しかし、本州ではウィラー・トラベルに代表されるツアーバスが台頭。女性客を意識した個性的な車両やゆったりとした座席、豪華な待合室などでシェアを伸ばし、今ではウィラーが高速バスの代名詞となっている。
これに対し、定期乗合高速バスを運行する各社は、後手にまわる格好で利用者の減少が続き、最近ではツアーバスとの安売り合戦に突入している。既に、地方のバス会社では共同運行から撤退し、ウィラーと組む事業者も登場している。
道内でのウィラーの展開は本州とは少し異なり、観光型のツアーバスをおもに提供する。たとえば、札幌-函館線であれば、途中、小樽・ニセコ・大沼などを周遊して料金も6千円と手頃だ。この他にも、札幌から旭川・旭山動物園や富良野・層雲峡までの周遊型ツアーバスコースを用意している。定期観光バスと貸切バスの中間的な位置付けであり、このあたり貸切の銀嶺バス(北海道アクセスネットワーク)の強みが活かされている。
ウィラー&銀嶺グループが、前述の「楽得バス13」のエリアに参入してくるかどうかは微妙だが、当面は観光需要がある「観光ツアー型バス」で展開をはかるのではないかと予想する。
これまで定期乗合事業では無風に近かった北海道であるが、2種類の高速バス予約サイトが登場。されにウィラーのツアーバスと北海道のバス業界からも目が離せなくなってくた。限られた北海道で2サイトもあるのもどうかと思うが。
なお、「楽得バス」という名称は、西鉄バスが束ねる全九州の定期乗合高速バス予約サイトの「楽バス」を連想させるが、敢えて意識して付けた名称であろう。
また、「バスNAVI北海道」も似たようなサイト名がいくつもあり、没個性だ。
ツアーバスは一般路線バス(一般乗合旅客自動車運送事業)とは異なり、主に二点間の輸送を目的としたバスツアー(募集型企画旅行)の呼称。
なお、今回の情報は「北海道紀行」様のサイトを参考にさせていただいた。北海道のバス情報に関しては、このサイトの右に出るものはなし。
busnavi.JPG
h-access.jpg
上:銀嶺&北都グループの定期乗合高速バス予約サイト「バスNAVI」
下:ウィラー&銀嶺のツアーバス予約サイト

■最新の観光関連ニュースは「ツーリズムラボ北杜の窓Facebookページ」にてほぼ毎日更新中!>>

全記事一覧カテゴリの最新記事