ツアーバス最大手のウィラー・トラベルがフェリーなど国内航路の予約ポータルサイトを今日2月28日に開設した。北海道から九州までの22の船舶会社の航路を扱っており、近距離から長距離フェリーまで多岐に亘っている。
これまでフェリーのポータルサイトは存在しなかった(個人が開設したものは除く)。最近はフェリー会社の自社サイトも充実しており、ネット割引や事前に好みの座席や船室を選べるサービスなど使い勝手もよくなっていた。しかし、総合的なフェリー情報がないため、公共交通としての認知が低かったのも事実だ。
今回、ウィラー・トラベルで予約が可能な航路は長距離フェリーに留まらず、たとえば、青森と下北半島の佐井を結ぶシーラインや酒田-飛鳥航路(酒田市定期航路事業所)、愛知県の師崎と伊良湖を結ぶ名鉄海上観光船など生活航路や観光船などバラエティに富んでいる。
北海道関連では、ハートランドフェリー(利札&奥尻航路など)、津軽海峡フェリー(青函航路など)、川崎近海汽船(苫小牧-八戸)、太平洋フェリー(苫小牧-仙台)、商船三井フェリー(苫小牧-大洗)の予約が可能、新日本海フェリーも近々に参加するという。
フェリー各社は路線バス事業者と提携し、割安な連絡輸送きっぷを発売しているところも多い。今後、ウィラートラベルでは自社のツアーバスとフェリーをパッケージにしたきっぷを本格的に発売することが予想される。既存の乗合バス事業者にとっては脅威になるかもしれない。節約志向の折、高速バスに続き、フェリーが長距離移動手段として若者・女性などに浸透するか見ものである。
サイトを眺めてみたが、フェリー・船旅の楽しみ方を初心者を対象にレクチャーしており、いかにもウィラーらしいつくりとなっている。また、抽選で100名に乗船券プレゼントを実施している。苦戦が続くフェリー業界にとって、ウィラーの参入は「渡りに船」であろうか。
なお、ウィラーのようなポータル型ではないが、往路・復路それぞれ異なったフェリー会社が利用できるパッケージ商品(募集型企画旅行)を販売しているフェリー専門の旅行会社があるクルーズシステムというフェリーファンの間では有名な会社だ。たとえば行きは仙台から苫小牧まで、帰りは小樽から新潟までといった具合に航空機パックのような仕組で航路の選択ができ、かなり割安な設定となっている。こういった商品を販売しているのはクルーズシステムだけであり、使い勝手もよいので紹介させていただいた。
年に1回くらい、北海道から関西方面へのフェリーに乗っています。
仕事終えて港に行き、乗船したら、風呂に入ったり、ビール飲んだり、本を読んだり、ぼんやり外を眺めたり…と、丸一日がかりの長旅は、貴重な息抜きの時間です。
ですから、フェリーには、まだまだ可能性が多くあると思っています。
徒歩乗船組にとって、最大の悩みは、陸の交通機関(鉄道など)とのアクセスでしょう。タクシーを使う羽目になったら、安さというメリットが吹き飛んでしまいます。
フェリーから青森~東京の高速バスに乗り継ぐのは極端としても、近隣の大都市とバスで結んだり、最寄り駅行きのタクシークーポンを格安でセットしたりなど、商品開発の余地はいろいろありそうです。
フェリー旅は、青春18きっぷと親和性高いでしょう。夜行便のある航路なら、船内浴室の存在をアピールし、駅とのアクセス手段もセットにして、駒を進めながら安く泊まれる宿代わり、みたいな売り出し方もアリじゃないか、と思います。
地球ネコさん、こんばんは。
長距離フェリーの旅はいいですね。ブルトレ以上の非日常性があり、まったりと過ぎていく時間が素敵です(揺れれば最悪ですが)。
おっしゃる通り、フェリーはまだまだ市場開拓の余地があります。
各社、高速乗合バス事業者と組んだ格安きっぷを発売しています。関西でも舞鶴-大阪間の高速バスとパックにした商品を出していますが、いかんせん告知不足の気がします。
フェリー会社単独でプロモーションを行うのは限界がありますが、フェリー業界では同業他社とコラボをするという発想がこれまでありませんでした。
そういった意味ではウィラーのフェリーサイトは大きいと思います。
青春18とも親和性が高く、夜行バスとは比較にならないぐらい居心地もよいはず。2等船室でも個室化されていることなど世間では殆ど知られていないでしょう。