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旅館がデジタル・デバイドにならないためにも

3月14日から17日まで、東京ビッグサイトで「ホテルレストランレスショー」が行なわれた。この展示会は幕張で行なわれる「FOODEX」とともに年に1回行なわれる飲食やホテル・旅館向けの展示会だ。
足を運んだが、ホテル・旅館向けのITコーナーでは進化が著しい。「サイバー・コンシュルジュ」や「イールド・マネージメント」など新しい言葉がどんどん飛び交っており、ブロードバンド化が進んでいる。ホテル業界のIT化のテンポは速い。
それに対し、旅館向けのものとなると少ない。需要が少ないからだ。
業務管理系のサービスはいくつかあるが、顧客管理や仕入れ発注、シフト管理などあまり目新しいものはない。
観光ホテル・旅館でこういった業務基幹ソフトを導入しているところは規模が大きい所だろう。中小規模では直接利益につながるものではないとなかなか新規導入は難しい。なにしろ全国6万軒以上あるといわれる旅館の半分以上が赤字で、平均客室数も14室程度、設備投資をしろというのも無理な環境だ。
しかし、このままでは格差がますます広がり、デジタルデバイドも生じる。
たとえば、自らのホームページを持っていないホテル旅館も多い。印象では観光地や温泉地の旅館の3割近くは未だ開設していないのでないか。特に家族経営で小規模、高齢経営者で跡継ぎがいない、時代の波からはずれた観光地や温泉地、西日本の温泉地などでそれが多いと思う。
またホームページを持っていても作りっぱなしや更新されないもの、使い勝手が悪いものも目立つ。
ホームページの印象や使い勝手が悪ければ顧客はそこから先へ進まず、宿側も反応がなければこんなはずではなかったとやる気を失い、更新もされなくなるという悪循環に陥る。
ホームページの怖いところは、サイトを見ただけでその旅館のセンスややる気度などが透けてみえてくることだ。これは一般企業のサイトにもいえることだが、内部が覗けてしまうところが恐ろしい。
ホームページを持っていなかったり、更新をしない宿泊施設をみているとインターネットに対する知識不足、誤解をかんじる。「そんなものは必要がない」、「よくわからない」といった次元は減ったが
「興味があるがどうしていいのかわからない」、「管理する人間がいない」といったレベルの宿主が多いような気がする。
このあたり対策を観光協会や旅館組合、商工会議所あたりが本気で取組む必要があるのではないか。
ただ、お仕着せで作ってあげるだけでは今までのままだ。
更新作業をしやすい環境づくり(CMSやブログなどによる簡易更新)やホームページを最適化するSEMやSEOによる販促指導など個人ではなかなかできにくい部分を上部組織がとりまとめるべきではないか。もっと実践的な勉強会や講習会もやるべきだ。
また、非常に遅れている旅館のブロードバンド化や地域の旅館同士で客室をシェアできるような掲示板づくりなど取りまとめる組織がやるべきことは多いはずだ。

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