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道外観光客が長期&個人旅行へシフト傾向 今後解決すべき課題とは

道外からの観光客の旅行形態が「長期滞在」と「個人旅行」に移っていることが分かった。道の2011年度の観光客動態調査によると、1回の道内旅行で3泊以上の割合は56%と過半数を占め、07年度と比べ15ポイント上昇した。消費者の旅行スタイルの変化にあわせ、道内の旅館やホテルも相次ぎ長期滞在プランを投入している。(6/8付 日経

この調査は道によるものだが、これまで主流であった2泊3日が減り、4泊以上が増えたという。「短期間に団体でまわる旅行スタイルが減り、少人数で1つの場所に長く滞在する形態が増えた」と道では分析しているとあったが、本当に「長期旅行」と「個人旅行」にシフトしているのであろうか。

まず、2007年から2011年の間は団塊世代の退職がピークになった時期である。長期滞在や個人旅行が増えたのは、団塊層を含めたシニアの「ゆとり旅行」が増えたからだと想像する。団塊世代は「カニ族」のはしりの世代にあたり、若い頃に旅をしたその世代がリバイバルツアーをしているケースも多いであろう。

また、2泊3日の貸切バスを使った団体旅行が減ったとあるが、値段が下がり続けた道外からのパックツアーは底を打っている。団体航空運賃、宿泊料のこれ以上の値引きは限界に達しており、これまで格安ツアーに参加をしていたシニア層が個人旅行に転換してもおかしくない。JR東日本の「大人の休日きっぷ」人気などがいい例である。安ければ、団体・個人はあまり関係ない。

JRや自動車利用が増えたのも上記、「大人の休日きっぷ」などのシニア向け割引やレンタカーの低価格化と関係しており、「長期」と「個人」の「ゆとり旅行」に繫がっていると思われる。

こう述べると北海道旅行が質的転換をしたように見えるが、実際は部分的な現象であろう。個人旅行が増えて行くことは間違いないが、北海道旅行全体が長期になるかというと今の社会情勢では疑問である。現状ではシニア層が大半であり、同じ場所に連泊をする滞在型同様、クリアすべき課題は多い。

かつて北海道旅行は5日から1週間以上かけるのがふつうであった。これは航空機や道路などの交通網が発達していなかったことも関係しているが、旅行自体が海外旅行感覚であり、北海道は一生に一度的な周遊旅行型が長く続いていた。その後、航空機の大衆化などにより料金は安くなり、気軽に訪れることが出来るようになったが、そのかわり滞在日数は徐々に減り続け、2泊3日が主流になってしまったのだ。

今後、周遊券などで長期間の道内旅行をした「しらけ世代」から「新人類世代」のアフター団塊(1953頃-1961頃)が退職することになる。旅なれた世代なのでさらに「ゆとり旅行」が増えることが予想される。その頃になると北海道観光そのものがかなり変わってくるのではないか。

また、今年はLCC元年であるが、格安航空券利用の個人旅行者が増えることも間違いない。本来ならシニアのリバイバルツアー頼りではなく、もっと若年層に訪れてもらいたいところなので新たな需要にも期待をしてみたい。

道外観光客呼び込みの課題はいくつかあるが、整理すると①旅行日数の増加②個人旅行へのシフト③滞在型の増加④若年層の需要喚起⑤リピーター増への動機付け⑥個人旅行の代金の高さ(海外旅行対策)などがまず思い浮かんだ。

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