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1泊2食付1万2千円の宿の普及が底上げに繋がる

乃の風リゾートA4表

「アッパーミドル(準高級)」路線を打ち出す新ホテル、「ザ レイクビューTOYA(トーヤ) 乃(の)の風リゾート」が9日、町内洞爺湖温泉29に部分開業する。2011年5月に休業した「洞爺パークホテル天翔」を野口観光(登別)が買い取り、改修を進めているうちの「スパリゾート館」(111室)で、洞爺湖温泉に新たな客層を呼び込む効果も期待される。(10/4付 道新

野口観光は1万円以下で泊まれる大衆路線の「○○亭」(名水亭や啄木亭など)と3万円以上の高級路線「望楼」があったが、洞爺湖の新ホテルはその中間的なところを狙う。価格設定は1万数千円~3万円台で、手薄だった中間層からやや高級層向けのサービスを提供するという。

実は道内の温泉宿でもっとも抜けていたのが中間層の設定であった。管理人はこれまでも何度か1万2千円で泊まれる宿の充実を図るべきと訴えてきた。1万2千円という金額は温泉旅行に使う際のほぼ平均的な単価で、この金額であれば幅広い層に利用してもらうことができる。道内客、道外客ともに納得できる範囲ではないか。個人旅行の適正価格であると思う。

道内で1万2千円の宿が育たなかったのは、団体・旅行会社依存の弊害であり、事業者間で見れば非常に扱いにくい価格帯であることも因としている。もともと規模が小さめな個人旅館では道内でも1万2千円程度で良質な宿はあったが道外と比較すると非常に数は少ない。良質な個人宿が育ちにくい環境があると思う。また、脱団体・旅行会社として登場したのが収益率が高い高級路線だが真ん中が抜けてしまった。

野口の新ホテルは価格設定は「プチ贅沢」の領域であり、個人客を取り込みやすい。これで高級・やや高級・標準の3つのカテゴリーが誕生した。いかにも抜け目のない野口らしい戦略だがこれは間違っていない。スクラップ&ビルドもしっかりやっており、箱根や湯河原といった首都圏進出を図る一方、苫小牧プリンスホテルは閉鎖している。

新ホテルの前身はカラカミ観光の「洞爺パークホテル天翔」だが、団体客・旅行会社依存のツケが競合である野口への売却に繋がったのであろう。多数の客室を持つホテルはフットワークが悪い。新ホテルでは、客室の間取りを広げ、客室数は天翔当時の約300から166室に減らすという。

1万2千円よりは少し高い設定になるかもしれないが、1万2千円という金額はそれなりのサービスが期待できるかどうかのボーダーラインであると思う。勿論、地域差もあるが、「大丈夫」とう金額がこのあたりではないか。この価格帯が増えれば、温泉宿の底上げに繋がるはずだ。

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