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新幹線の函館開業に向けてJR北と地元は2地域居住や滞在がしやすい観光地づくりを

annakaharuna

JR東日本と県は12日、首都圏から県内への移住促進で連携すると発表した。同社初の取り組みで、長野新幹線佐久平駅の地元、佐久市を先行モデルとして他地域に先駆けて適用。同社は5月以降、佐久市に移住を検討する人の「お試し(下見)ツアー」を廉価で実施。移住後も、首都圏と往来しやすいよう新幹線を含む鉄道料金を割り引く。(2/13付 信毎

新幹線を使っての移住促進といって思い出すのが福島県の泉崎村である。村が造成したニュータウンに移り住めば、通勤者に限り、新白河から都内までの新幹線定期代を支給するということで話題になったが、実際はリタイア層が大半で通勤者は出なかったと聞いたことがある。

記事の長野県(佐久市)とJR東日本の試み、それぞれの思惑の一致により実現したのであろうが、長野新幹線の開業時には軽井沢駅周辺でミニバブルが起きている。東京まで1時間強という所要時間のため、2地域居住などの通勤者が生まれたが、そのブームも冷めて、新たな需要をJRは探していた。JR自ら駅周辺に何もないことで有名だった安中榛名駅の近くに宅地造成(びゅうヴェルジェ)をし、新たな新幹線利用者を創出するなど最近のJRは鉄道が本業か不動産屋かわからなくなっている。

佐久市にある佐久平駅も何もない場所だが、新幹線が信越線を外れて小海線の駅に停まったことでエリアは活性化している(新幹線から外れた信越線の小諸駅や小諸市中心街の衰退は著しい)。佐久市ではターゲットを2地域居住のできるシニア層に向けていようで「大人の休日倶楽部」とのコラボが実現したのであろう。需要も見込めるのではないであろうか。

 

このニュースを聞いて北海道でも新幹線を活用したモデル事業が出来るのではないかと思った。北海道新幹線の終点となる函館(新函館駅)は一大観光地であるが、長期滞在希望者も多い。また、終点となる北斗市や隣接する七飯町は古くから別荘地もあり、札幌圏や道外からやって来ている実績がある。

実は函館は長期滞在への対応が遅れている。管理人も実際に2地域居住が出来そうなホテルやウイークリーマンション、賃貸物件などを探したことがあるが、実に少ない。道内では先駆的に移住や長期滞在に取り組んできた函館なのだが、その後、進んでおらず受入れ態勢が出来ていないようだ。

また、大沼公園がある七飯町は古くから別荘や法人寮などがあるリゾート地である。管理人は本州型避暑地に形態が近い大沼は、長期滞在や2地域居住に適していると以前から思っており、滞在型プロジェクトを推進すべきであると何回か拙ブログでも述べてきた。

ここへ来て、JRが運営するホテル「クロフォード大沼」を拠点に、滞在型に適した観光地に変える動きが出てきている。以前も書いたかもしれないが、クロフォードは道外からの連泊客が多く、別荘地からはわざわざ夕食だけ取りに来る客もいるなど信州の避暑地のようになっている。大沼や鹿部周辺を通過型から滞在型へ変えるポテンシャルは高い。

函館市に滞在できる施設が少ないことは前述したが、函館市の中心街はホテルが過剰気味である。新幹線延伸を見込んで建てられたものも多いが、JR北海道も駅前の所有地にビジネスホテルを建設することが決まっている。地元のホテル旅館関係者は反対をしており、客室数を減らすなどの要望をJR側にしているという。

管理人もいくら新幹線が開通するとはいえ、供給過多であり、オフシーズンは今と同じように空きが増えると予想している。オン期は間違いなく増えるが、冬期を中心にしたオフ期への集客は新幹線が開通しても大きな伸びにはならないと見込まれ対策も迫られる。

ここでは視点を変えて、長期滞在が可能でウイークリーやマンスリーに対応できる施設があれば便利でないかと思う。たとえば、オンシーズン期は通常のホテルとして運営してオフ期には長期滞在向けに形態を変えるなど既存の宿泊施設とは異なる営業を行えば新たな需要を喚起できる。

仮にJR北がこういった施設を運営し、「大人の休日倶楽部」などと連動し、新幹線運賃を割引けばオフシーズン対策としても有効である。適応を既存の宿泊施設や短期賃貸住宅、別荘地で過ごす2地域居住者にも向けられれば地域経済も潤すことができる。

新幹線の開業は、観光の質を変えるチャンスともいえる。これまで少数派であった2地域居住や長期滞在者を呼び込むにはよい機会であり、通年&滞在型観光地へ向けてJRは地元観光業者と密に連携する必要がある。新たな発想に期待をしたい。

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