*

あずみ野観光バス事故と優良観光バス会社

昨日25日 昨年2月、27人が死傷したあずみ野観光スキーバス事故の判決が出た。大阪地裁は、「利益を優先し、過労運転を命じた」として、道交法違反などの罪に問われた社長に懲役1年、執行猶予3年、被告の妻で専務にも懲役10月、執行猶予3年の有罪を言い渡した。
事故から間もなく一年が経過するが記憶に新しい。家族経営の零細バス会社が旅行会社からの無理な依頼に断ることができず過重労働の結果、大事故を起こした。社長の息子の運転手が亡くなるという何とも痛ましい、やるせない事故であった。
また、この事故により過酷なツアーバスの実態が明らかになり、世間に実態を知らしめた。本ブログでも何度かこのテーマを取上げたが、昨年5月の「NHKスペシャル」に関するブログ記事(動画付き)には今でも多くのアクセスがある。
先日も十和田湖でクラブツーリズムのツアーバス転落事故があったが、規制緩和により貸切事業へ多くのバス会社が参入。供給過多となり、ダンピング競争が始まったが、事故件数も大幅に増えている。事故を起こしたバスは首都圏の会社で、慣れない雪道運転をさせたのだから責任はそこを選んだ旅行会社側にあるといえる。
責任があるクラブツーリズムのHPを見てもトップページにはお詫びのひとこともなく、「新着情報」で簡単な謝罪があるだけである。これがJRであれば西日本や東日本はいまだに尼崎事故と余部事故のお詫びがトップにきている。車内誌の盗用程度でも北海道はトップにもってきている。
貸切バス事業への自由参入を放置していいのか、参入へのガイドラインの設定やダンピング競争を抑えるための最低価格の設置、ドライバーや車両に関する労働・安全基準の更なる徹底など必要だ。
また、旅行会社とバス会社の関係も根本から見直さなければならないが、簡単に業界構造を変えることはできない。今日も安い値段で契約した観光バスが全国を走っている。よく「日帰り1万円ポッキリツアー」などあるが、バス会社の「協力」によって成り立っている。このあたりも行政側にメスを入れてほしいところだが、自由競争を阻害する危険もあり、痛し痒しだ。
 
ツアーバス関連の話題でいうと先日、業界紙「旅行新聞社」が主催する第17回 「プロが選ぶ優良観光バス30選」が発表された。参考までに上位10社を挙げる。
第1位 はとバス (東京都大田区)
第2位 アルピコハイランドバス (長野県松本市)
第3位 名阪近鉄バス (愛知県名古屋市)
第4位 山交バス (山形県山形市)
第5位 三重交通 (三重県津市)
第6位 新潟交通観光バス (新潟県新潟市)
第7位 両備バス (岡山県岡山市)
第8位 名鉄西部観光バス (愛知県一宮市)
第9位 三八五バス (青森県八戸市)
第10位 東野観光 (栃木県宇都宮市)
登場したバス会社の多くは地域を代表するバス会社であったり、その貸切部門の関連会社だ。また、自社で旅行会社部門を持っているところも多い。値段もそここそ取るであろうが、当然、「安全」という意味も含まれているのであろう。

 - すべての記事一覧, 公共交通(バス関連)