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高速フェリー「ナッチャン」(東日本フェリー)の休航に思うこと

東日本フェリーが、11月末で函館―青森など道内と青森県を結ぶ3航路からの撤退することが4日、明らかになった。函館―青森を約2時間で結んで話題となった高速フェリー「ナッチャン」は、就航からわずか1年余りで運航休止に追い込まれた。大量の燃料を消費する高速船は、期待に反して需要が伸び悩み、燃料高騰により赤字が膨らんだ。9月から乗船料を3割値上げし、段階的に減便などの対策をとったが、「焼け石に水」だった。(9/5付 朝日新聞

これまで数々の話題を提供してくれた青函高速船「ナッチャン」シリーズだが、夏前あたりから雲行きが怪しくなってきた。燃料高による減便、大幅な料金値上げで、これからの閑散期に向かい1隻体制になるのではと危惧したいたが、まさか航路廃止とは想像つかなかった。
今後、その他の東日本フェリー航路に関しては、行政などと運航存続に向けて調整に入るが、高速船に関しては僅か1年での廃止となる。旧経営時代の同フェリーが2度に渡り、高速船を運航させたが、旅客のみでの需要は少なく、早々と撤退しているが、またしても同じ破目に・・・・
6月に「ナッチャンWorld」に乗船したが、その時も100人程度の乗客で閑散としており、積載車両も20台数台程度であった。燃料高という想定外のアゲインストはあったが、この高速船計画自体に無理があったような気がする。まず需要が定かではないのに2隻体制にしたこと。特にあの運賃では業務用の車載需要は期待できない。また、専用ターミナルや豪華な船内をつくるなどその”意気込み”は評価できたが、過剰投資(やり過ぎ)のような気がしていた。
事前に詳細な市場調査はしているはずだが、需要を読み違えていたのではないか。JR特急と対抗できる所要時間を売り物にしていたが、ターミナルまでの所要時間やフリークエンシーなどを考えると対抗馬にはなり得ない。もともと青函往復はJRでさえも集客に苦戦している。青森・函館間に限った往来はもともと需要がなく、そのあたり瀬戸内航路などどは異なる。旅客を中心に考えると青函連絡の市場は少ないのだ。新幹線も出来ていなかったので時期尚早といえないこともなかった。
これまで新体制の東日本フェリーは多くの話題を提供してくれた。短中長距離航路の大幅なリストラ削減では先行きを心配させたが、ナッチャンシリーズの就航発表、さらに青森・函館港の出航地を連絡船時代に近い場所に戻す計画、博多-直江津-室蘭航路(現代版北前船)の境港・金沢寄航と航路復活(結局は休止のまま)、最近では函館港フェリー乗り場からベイエリアまでの小型連絡船就航発表など話題を提供してくれたが、話題先行が多く、地に足が着いていないのではと心配していた。
考えてみると函館からはあのエアトランセも撤退するらしい。奥尻便のエアー北海道も会社を整理しており、公共交通ビジネスでは鬼門か。長期低迷が続く函館市にとって今回の航路廃止はイメージダウンにもつながり、観光集客にも影響するであろう。ナッチャンは函館観光の新しい魅力になり得たはずで、少しずつ定着してきた矢先なので残念な結果である。
東日本フェリーに限らず、フェリー業界はこのままでは休航・廃止が増えることが予想される。国にも何らかのサポートをお願いしたいところだ。
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