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信州と北海道  インバウンドで見たその違い

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写真上:外国人にも人気の地獄谷・野猿公苑 中:到着する観光客を駅で出迎える温泉旅館の番頭さんたち(最近では珍しい光景 長野電鉄湯田中駅)下:5月下旬までスキーが楽しめる横手山渋峠スキー場
先日、信州の渋・湯田中温泉を訪れた。温泉の玄関口・長野電鉄の湯田中駅前には各旅館の半被を着た番頭さんや和服姿の女性などが、旧小田急ロマンスカーの車両から降りてくる宿泊客を待っている。最近ではあまり見られない光景で、昔の箱根湯本や熱海を思い出させてくれた。
そんな中に半被を羽織った外国人が幟を持って改札の前に立って居た。外国人の女将は何ヶ所かで聞いたことがあるが、青い目の番頭さんは初めてだ。外国人従業員を必要とするほど温泉街を訪ねる外国人観光客が多いのであろうか。しかし、スキーシーズンは終わっている。単なる居候か。
その答えは温泉街を散歩してみてわかった。
古い木造建築の旅館がビッシリと並ぶ渋温泉街には浴衣姿の何組かの外国人客とすれ違った。白人だがオーストラリアではなく、ヨーロッパ人のような雰囲気だ。よく聞いてみるとフランス人が多いという。
志賀高原は上部のゲレンデなら5月いっぱいスキーが出来るが、既にシーズンは過ぎている。温泉街に泊まっている外国人客は純粋な観光で信州を訪れているらしい。温泉街の近くにある地獄谷の野猿公苑、御開帳で賑わう善光寺や戸隠、小布施、立山黒部アルペンルートなどが観光コースになっているようだ。
冬季はスキーに温泉街散策や善光寺見学などが加わるようだが、北海道のニセコなどとはかなり印象が違う。ニセコの場合、スキーヤーが中心であり、オーストラリア人はスキー限定が多い。アジア系は観光もするが、やはりスキーがメインであり、ニセコ以外の土地での波及効果が少ない。何よりも冬季限定というネックが解消されていない。
信州の場合、白馬はニセコにスタイルが近く、季節限定の傾向が強いが、長野県と新潟の妙高地区が共同で、外国人スキーヤーの受入れプロモーションを実施しており、最近では白馬よりも志賀高原、野沢や妙高赤倉などの外国人スキー客が増えている。これは温泉という強みや他所との抱き合わせ観光も関係しているのではないか。ニセコにとってはライバルである。
信州のこれらのスキー場は温泉街と共に発展してきた。そして湯の町情緒も健在である。スキー以外の楽しみがあり、また、スキーを除外しての集客も可能なところである。
北海道の場合、全体的なインバウンドでいえば先行しているが、スキー滞在を除けば物見遊山であり、スキーと観光が上手くリンクしていない。このあたりがネックではないであろうか。また、信州の場合はエリア全体でスキー産業を盛り上げているが、北海道ではニセコの印象が強すぎて他が霞んでしまっている。
スキーと観光の歯車がかみ合っている信州とばらけているのが北海道。このあたりニセコが民間主導であったのも関係しているかもしれない。
ニセコ周辺でいえば、湯本温泉や五色温泉の野趣溢れる露天風呂や岩内の寿司、小樽の市場めぐり、札幌観光など展開次第では魅力的なオプションツールになり得ると思うが。
北海道には古い温泉街や神社仏閣などはないが、自然や食材などそれを補える素材は十分にある。意外にそのあたりが周知されていないような気がする。
最後にホスピタリティ面でいうと信州に分が上がる。自然に御もてなしのこころが醸成されている。長野五輪を経験したこともあるかもしれないが、湯田中・渋温泉では管理人が温泉街を歩いていると他所の旅館の番頭さんなどが「おつかれさまです」、「こんにちは」などどあちらこちらで声を掛けられた。これは北海道ではあり得ないことである。気持ちがいい。
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