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「道内限定販売」のルールを破った花畑牧場、これは決定的なミスマーケティングだ

夕張市内に工場や店舗を展開している花畑牧場(十勝管内中札内村)が派遣社員30人との契約を更新せず、4月から夕張市内の体制を縮小することが16日分かった。3月発売予定の新製品を製造する十勝工場(中札内村)に経営資源をシフトするためとしている。 (2/17付 道新)

花畑牧場の苦戦はウワサされていたが、札幌工場に続き、いよいよ夕張でも人員削減が始まった。1年前は新千歳空港や札幌アピアなどに長蛇の列が出来ていたが少し前がウソのようである。
花畑牧場のビジネスが失敗であったとまだ断言できないが、営業戦略においていくつかミスがあり、また企業としても消費者に対し不誠実を起してしまったのではないか。
まずは道外への他店舗展開だが、これまで道内スイーツは「道内限定発売」が常識であった。事実、「白い恋人」の石屋製菓は道内ではどこでも売っているが、道外では百貨店などの物産展でしか販売をしない。
六花亭やロイズも同様であるが、さらに道内でも地域限定商品、道外ではスポット的に流通されることがあっても、適度な飢餓感を感じるレベルに出荷調整をしており、六花亭に代表される道内のトップスイーツメーカーは優れたマーケティング力を持っている。また、観光客だけではなく、地域の人たちにも愛されており、根付いていると云える。それに対して、花畑牧場は道内外で多店舗多商品展開をした。これでは商品の希少価値がなくなり、高い賃料などで首が絞められるだろう。
都内にもいくつか店舗があるが、スイーツ以外にもホエー豚、ラーメンなど多岐に亘っており、何屋かわかなくなっている。本来は生キャラメルで売ったはずが拡大路線により、イメージが安っぽくなってきた。
大量生産により付加価値感が減少し、商品の多展開は本当に自分のところで生産しているのかなどといった疑問を消費者に与えている。
花畑の悪いところは当初、出し惜しみ戦略を取っていながら、火がついた途端に大量生産にチェンジ、全国展開に豹変したことである。これは非常に印象を悪くしている。消費者を裏切り、消費者離れを起したまずいマーケティングである。
先日、都内青山・外苑前にある直営のメロンパン店の前を通った。外苑西通り、ちょうど酒井法子の旦那の実家が営んでいる高級スポーツショップJの並びにある。ウインドには沢山の夕張メロンパンが並べられていたが客は誰もいない。帰り道にまた通ったがまたいない。その翌週もそこへ行ったが客はゼロ。当然、店員も手持ちぶささ。先行き危ないとかんじたものだ。値段を見るとメロンパンが380円!!やはり高いと思った。
その日は青山から原宿へ歩いたが、また偶然花畑牧場を発見した。ここはカフェだがラフォーレと竹下通り入口の中間点、若い子が集まる一等地である。ソフトクリームなどが食べられるので、そこそこ人がいたが去年までは竹下通りにも店があったので、すでにピークを過ぎているようだ。
都内の超一等地に進出しているが、この戦略は正しいのであろうか。既に都内では多くの店舗が閉店をしている。もし、これがラーメン屋であれば別かもしれない。「味の時計台」などは全国チェーン化しているがそれなりの顧客を獲得している。
しかしラーメンは日常的な食べ物。これが生キャラメルとなると違う。あくまでも「北海道限定」、現地でしか買えない・食べられないという非日常性が求められることで商品価値が高まる。前述した適度な飢餓感を与えることが必要である。
花畑も当然そのあたりはわかっていながら、敢えて非日常ではない、拡大路線に打って出たのであろう。しかし、これでは飢餓感がなくなり、わざわざ北海道に行ってまで購買をしなくなり、都内の店舗もすぐに飽きられてしまう。花畑はどこでも買える北海道発のファーストフードにしてしまったのだ。それを目指すのならそれでいいが飽きられのも早いであろう。
オーナーの田中義剛は急ぎ過ぎたのではないか。想像だが、田中は北海道スイーツの売り方をわかっていないブレーンやコンサルタントの甘言に乗っかってしまったのではないか。タレント名で商売できるほど甘くはない。これまでもタレント名冠のフードビジネス(北野カレーや梅宮辰夫の漬物など)が多くあったが一過性であった。
立て直すには一度、商品アイテムや生産量、店舗などを絞り込むことだ。それでも一度崩れた信頼を取り戻すのは厳しい。次なるリストラもあると思うが、このままでは悪いウワサしか立たなくなってしまう。
食品、特にスイーツの類は一発当たれば大きいが飽きられるのも早い。短時間でぼろ儲けをして回収できるほど甘くない。地道にやっていて初めて信頼とブランドが生まれるはずである。

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