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夕張鹿鳴館が温泉付きオーベルジュに、今の夕張に相応しいであろうか

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上・建物の取り壊しが進む夕張中心街中・花畑牧場・下廃校になったまだ新しい小学校
昨年9月からレストランとして活用されている夕張鹿鳴館(旧北炭鹿ノ谷倶楽部)のホテル部門「オーベルジュ夕山荘(ゆうざんそう)」が27日にオープンする。部屋ごとに温泉を引くなど高級路線が売り物で、21日から内覧会が始まった。 (5/23付 道新)
夕張鹿鳴館が何と温泉付きオーベルジュになってしまった。夕山荘と名付けられ、重要文化財級クラスの大正建築を、広いスイートルーム3室に改造。各部屋には敷地から掘削した温泉を引き、総ヒノキ造りだという。料金はフレンチコース付きで1泊1人3万8千~4万3千円と高価だ。
運営をするのは小樽の産業廃棄物業者テクノという会社で、夕張市から無償譲渡を受け、昨年9月にレストランを開業していた。
朝日新聞記事によると、【数千万円を投じて改修してきたテクノの青柳正男会長は「ここを高級プチホテルにしたいという念願がやっとかなった。私のようにこの建築にほれ込んだ人に、大人の隠れ家としても利用してほしい」と語る。】とある。
実は先週末8年ぶりに夕張を訪れた。学校や地区センターなど公共施設の大半が閉まっており、財政破綻の街であることを実感した。中心街にも人は殆どおらず、空き家やシャッター商店が更に増え、取り壊しも各所で見られた。
今回、夕張鹿鳴館には寄らなかったが、和洋折衷の100年近い歴史がある北海道では数少ない木造建築だ。以前、ここを訪れた時、宿に改造できたら素晴らしいと思ったことがある。夕張市内には三セク系の大型ホテルが2つもあったが、それよりもしっとり落ち着いた宿があってもいいのにと、破たん前は考えていた。
鹿鳴館は北炭から市に譲渡され、破綻後は加森観光が管理運営をしていたが、人が集まらず、今の会社に無償譲渡されたようだ。「無償」というのはどうかと思うが。
夕山荘は成功するであろうか。現状から推察すると厳しいと云わざるを得ない。道外や海外からの観光客をターゲットにしているのであろうが、千歳空港から近く、周辺にゴルフ場も多いという理由だけでは無理がある。特別に料理が美味しいとか、他所にない特徴を全面的に打ち出せないと埋没してしまう。それでなくても道内のオーベルジュは苦戦を強いられている。
以前、拙ブログで檜山・江差町にある同様な宿についてマーケティング不足と指摘したが、案の定苦戦をしていると訊く。夕山荘の場合、客室数が少ないのでダメージは少ないかもしれないが、料金が高すぎて集客は大変であろう。価格を下げ(2万円前後)、カジュアル色を出せば顧客層は大きく広がってくると思うが。
何よりも、今の夕張にこの宿が相応しいであろうか。市民から見れば、別世界のものであろうし、もう少し地元に根付いた施設にしてもよかったのでは。
しかし、建物の保存が決まったのだから、運営会社(テクノ)には地域に根付いた、継続できる施設(オーベルジュ)に、育ててもらいたいと期待する。
 

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