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北海道エアシステム(HAC)問題、丘珠集約で合意、札幌以外のローカル線は切り捨てか

日本航空が経営撤退する予定の北海道エアシステム(HAC)の事業計画案を巡り、道と札幌市は26日、離島路線を除く全便を丘珠空港に集約し、札幌市が14%程度出資することで合意する方針を固めた。一両日中にも発表する。(10/27付 読売新聞北海道版)

合意内容には、HAC本社を新千歳空港から丘珠空港に移転し、機体の格納庫購入や発券システムの構築などにかかる億単位の移転費用に、札幌市が1億数千万円を補助することが、盛りこまれるとみられる。出資比率は道36%、日航14・9%、札幌市14%で、残る35%分を、就航先の函館市や経済界などに出資を募る。

丘珠集約後の就航路線は、函館、釧路、女満別線を計画し、函館―奥尻の離島路線も存続する。

日航がHACからの経営撤退を表明してから1年が経過。道と札幌市の交渉が決着することで事業の存続が決定をした。

しかしながら就航路線は奥尻便を除いてすべて丘珠に集約されている。もともと丘珠はANA色(エアーニッポン)が強く、HACが就航した当初、丘珠便を希望したが大半が新千歳になった経緯がある。ところが今回、親会社の方向転換でANAが丘珠から撤退して新千歳へシフト。札幌市と道はHACに存続を求めることになった。

丘珠ハブには異論はないが、それ以外の道内ローカル便が廃止されることには異議を唱えたい。たとえば、函館と釧路・旭川・女満別などを結ぶ便は既にいくつか廃止になっている。もともと同社はアクセスの悪い道内ローカルの高速交通手段として生まれた三セク企業である。公共性が高く、航空機による道内活性というミッションを持ち合わせている。

今回、就航する函館市、釧路市や大空町などにも支援を要請するであろうから、そうなれば札幌を発着しないローカル便の路線維持も札幌市以外は主張すべきである。

管理人も函館から十勝・道東方面へ直接移動することがあるが、この便がなくなると大変不便である。地方経済の衰退にも繫がり、札幌一極集中が益々強まってしまう危惧もある。確かに札幌発着をしない便は需要も低く、高速バスでさえも路線を持っていないのが大半だ。しかし、これは「札幌経由」という交通体系、人の流れが出来てしまった結果であり、そのことで地方都市同士の交流も生まれにくかった。そういう意味でも今回の丘珠集約は残念である。

また、使用機材のサーブ340もサーブ社のリストラで航空機製造は中止しており、就航から十数年が経過している。まだ暫くは飛ぶであろうが、新しい機材がどうなるかも気になるところだ。

【追記】10/29付 函館新聞記事より抜粋

【函館市の西尾正範市長は「市としても出資割合は別にして前向きに検討したい」と出資に協力する意向を示し、12月か来年2月の補正予算に計上する考え。見直しが検討される釧路、旭川線については「採算性の問題はあるが、地域間交流のためには大事な路線。できるだけ存続できる形で取り組みたい」と述べた】

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