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スカイマークが何とエアバス380を6機も購入、長距離国際線に参入するが体力は大丈夫?

 

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スカイマークは8日、2014年度をめどに国際線に参入すると発表した。それに向けてエアバスの世界最大の旅客機「A380」6機を、国内勢としては初めて導入する。オープンスカイ(航空自由化)を機に、当初は成田空港と欧米の3都市を結ぶ長距離路線での運航を目指す。 国際線参入は、1954年の日本航空(旧日本エアシステムを含む)、86年の全日本空輸に続いて3社目。 (11/8付 朝日新聞)

ちょっとビックリのニュースである。スカイマークはこのところ国内線の路線網を強化、JALに代わって本格的に国内線市場に参入するものと見ていたが、何と国際線へも参入。それもエアバス380を2014年度から年間をかけて2機ずつ導入。さらに9機を追加購入する構想もあるというから驚きである。

朝日新聞のインタビューによると同社西久保慎一社長は、欧米路線参入の狙いについて「アジア路線はコスト競争が厳しいが、欧米路線は価格が比較的高止まりしていて、格安航空会社の参入もない。大手よりも安くできる確信がある」と述べている。経営再建中の日航や国際線を拡大中の全日空には脅威になる。

国際線参入を決めた背景には、政府が米国と結んだオープンスカイ協定が他国との間でも広がる見通しであるのに加え、成田や羽田の発着枠が14年度までに約1.5倍に増えるという環境の変化がある。就航先にはロンドン、フランクフルト、シアトルなどの名が挙がっている。また、来年には新千歳、神戸、福岡、那覇の国内4空港と成田を結ぶ国内線も就航させる計画だ。

スカイマークにはLCCの参入が少ない欧米長距離路線に大型機を就航させれば、十分採算が取れるという計算があったのであろう。日本の航空会社がA380を購入するとは全くの想定外であったが機材の効率化のみを追求し、小型化が進む中、悪い話ではない。

このところスカイマークの業績・搭乗率はなかなかのものだ。使用機体をボーイング737だけにして運航や整備のコストを節約。運賃を大手の半額程度に抑えて集客力を上げ、事業を拡大してきた。人件費も安く、機長で年収700万円程度、副機長は400万円以下と大手の三分の一程度に抑えている。これはLCCの中でも異例のことであり、徹底した経費削減は同社の代名詞になっている。

しかし、トラブルが絶えなかったことは拙ブログでも何度か紹介し、厳しく書いたこともあった。公共交通機関としての使命感欠如を感じ、安全性へも疑問を持っていたが、少しずつであるが航空会社として、一定の認知・支持を得られるようになってきたのではないか。

管理人は東京-札幌線はスカイマークを利用しているが、その理由は大手の半額程度の運賃。それだけである。客層もカジュアルで高速バス感覚であったが、A380の就航によって、ただ安いだけの航空会社から付加価値が付ける方向にシフトしそうである。コスト削減による割安・国内線のみでは限界がある。

但し、この会社の運航体制で国際線定期便を飛ばすことが本当にできるのかというと疑問・不安もある。スカイの純利益は26億円(売上441億円)だが、エアバス380を一機購入するには280億円かかる。資金調達のメドはあるのであろうか。9日の東商マザースでは大幅に株価を下げたが、これが世間の正直な反応であろう。本気で考えているのなら、導入予定の4年後までに信頼と実績をもっと構築しなくてはならない。

【参考】この件に関するスカイマークのプレスリリース

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