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震災による札幌オフィス需要を見込んた検索サイトが開設、「2地域職域」という発想も必要では

オフィス仲介のワークスメディアは5月中旬、ネット接続サービスのファイバーゲートと協力して札幌市内の賃貸オフィス仲介サイトを開設する。動画などで詳細な物件情報を提供し、既存サービスと差異化する。同社は今回の震災で首都圏や東北から札幌に拠点を移す企業が増えるとみており、初年度は150件の成約を目指す。(4/13付 日経新聞北海道版)

今回開設するサイト「札幌オフィス検索」はワークスメディアが運営し、ファーバーゲートの不動産子会社がビルオーナーからオフィス情報を取得する。まずは市中心部のオフィス200~300棟の仲介から始め、5月末には中心部の全オフィスの5割に当たる1500棟に増やす。サイト利用料は無料で仲介料金は賃料の半月分に設定する。

東日本(首都圏含む)は原発事故や度重なる余震、このところメディアで盛んに報じられている東日本の広範囲に及ぶ誘発地震への不安で疑心暗鬼となっている。特に噂されている今回の広域震源域の南側割れ残りである房総半島沖での大型地震や首都圏直下型、また火山噴火など、既にアカデミーの人たちも可能性を認めている次の大型地震や災害がどこにくるのかビクビクして暮らしている状態である。

原発にしても小康状態を保っているようであるが、現在警告されている震源域東側でのM8以上の地震が起き、ふたたび揺れと津波が原発を襲えば、東京にも影響を及ぼす放射能災害が発生するかもしれない。既に国民は国・東電・原子力保安院を信用しておらず、自分のことは自分で守らなければならない有様だ。

ひとことで言えば、首都圏の住民は苛立ちと不安の中にある。このような環境の中で日常生活を送るのは不健康である。このままでは、「総抑うつ不安神経症」になりかねない。既に心身のバランスを崩している人も多い。

外資系企業や大使館の多くは関西方面へ臨時オフィスを設けている。大げさのように見えるが、危機管理から見れば正しい選択である。今後の展開は神のみぞ知るだが、オフィスの札幌への機能一部移転、サーバー、データセンターなどの北海道移設はリスク分散から考えて、積極的に行うべきであると震災以前から主張していた。

今後、電力需要も省み、夏場に一時的に首都圏から札幌に本社機能を移す需要も高まるかもしれない。ワークスメディアの「サッポロオフィス検索」がビジネスとして軌道にのるかは未知数であるが、ポテンシャルは高い事業であると思う。特に札幌オフィスがなく、情報が少ない中小企業にとっては貴重かもしれない。

あらためて思うのは、東京一極集中のツケが今回の震災で来ている。神戸震災のあと、あれほど首都機能の分散が叫ばれたのに、逆行が進んでいた。

今後、暑い夏は東京を離れ、札幌(北海道)で一時的に仕事をしてもらう運動を官民一体で行ったらどうか。在宅勤務(SOHO)は伸びていないが、「2地域職域」のような考え方があってもよいと思う。生産性も伸び、意外な効果が生まれるかもしれない。

それが可能となれば、地方経済にとっては大きなプラスとなる。「2地域居住」(デュアル・ライフ)はこれまでリタイア層が中心であったが、はたらき盛りの人たちを対象にするのが理想である。

震災は災難ではなるが、これまでのライススタイルを考え直すよい機会とも云える。

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