リクルート旅行カンパニー(冨塚優カンパニー長)は宿泊予約サイト「じゃらんnet」のシステム利用料(手数料)を来年4月1日に値上げする。現在、利用客がシングル利用(1人1室利用など予約人数と客室数が同数のケース)の場合に宿側から受け取る手数料は宿泊プラン料金の4%だが、これを6%に引き上げる。2人以上1室利用の場合の手数料8%は据え置く。(10/9付 観光経済新聞)
同時に新ポイント制度「じゃらん×ホットペッパーポイント」を導入。利用客に利用額の2%のポイントを付与する。ポイント相当額は手数料に加算していったん宿側に請求。利用客がポイントを使って宿泊した場合、使用金額を後日宿側に振り込み、清算する。
「じゃらん×ホットペッパーポイント」分の2%を新たに手数料に加算するため、宿側がリクルートに支払う金額は、シングル利用の場合には4%から8%に、2人以上1室利用の場合には8%から10%にそれぞれ上がる。実質的に8%と10%の2本立てとなる。
これまでネット系エージェントの手数料アップについては何度か意見を述べてきた。宿側から見て、ネット系は既存の旅行会社(リアル系)よりも手数料が安いことが何よりの魅力であったはずだ。最初に認知された「旅の窓口」(現在:楽天トラベル)は2-3%の安い手数料で、あっという間に宿泊予約の仕組みを変えた。
その後、ネット系エージェントは玉石混交の時代を迎えるが、現在では淘汰され、楽天トラ、じゃらん、一休などとリアル系のJTBなどが競うようなかたちが続いている。今回のじゃらんの手数料アップは大幅なもので宿側からのクレームが聞えてきそうである。
手数料の値上げはトップリーダーの楽天が先行するような形で行われていたが、今回、じゃらんが「ホットペッパーポイント」を付加するのは、楽天スーパーポイントを模したものではないか。もともとホットペッパーは美容院やエステ、飲食店などで使えるもので、それを宿側に最初負担させるのはおかしな話だと思う。
ネットエージェントの魅力は価格にあったはずである。手数料が上がり、それが宿泊料金に跳ね返ってくればその存在意味がない。最近、宿側が「ベストプライス」と謳って自前サイトが最安値であるとPRしているものを見かけるがまだまだ少数。リアル系エージェントのサイトの方が安い場合も多々ある。
巨大化したネットエージェント市場であるが、宿側も自衛策を考える時に来ているのでは?地域単位など独自のネットワーク構築や脱退も含めネット系に足元を見られず、依存をしない戦略を打つべき時期である。成熟したように見られる市場であるが、高値安定では困る。
また、ネットエージェントも、「旅の窓口」が誕生した頃の初心を忘れないでもらいたいが、これだけ巨大化した市場であり、親会社が楽天とリクルートでは体質から云って無理な話であろうか。
復活したトクーに期待したいですね。
トクーは宿泊施設側から手数料を一切徴収しませんから。
会費制のトクーは旅の窓口と同じ1998年創業ですがトクーのビジネスモデルは早すぎたのかもしれません。
楽天トラベルに続きじゃらんも値上げしたのでトクーに伸びてほしいです。
通りすがりさん、こんにちは。
トクーが復活したとは知りませんでした。会費収入で賄うという発想は斬新でしたが旅行業界の習慣には馴染まなかったのでしょうか。
トクーの場合、他のネットエージェントと較べてどこまで安く客室を提供できるか、そのメリットを前面に告知すべきですね。一般ユーザーの多くは、旅行業界の手数料制度の仕組みされも殆ど知らないと思います。
2005年に楽天トラベルが手数料を6%から7~9%に値上げした時に旅の窓口の創業者だった小野田純氏が「楽天トラベルの手数料値上げは販売手数料を取るビジネスとしては正しい選択」と述べていましたから、もし日立造船のままでもいずれ手数料は値上げされていたと思います。
その点でトクーは従来型の口銭を取るビジネスではないところが画期的です。
最近はネットで宿を予約すると定価ではなく割引料金で泊まれることがユーザーの間で浸透してきましたので、今後は宿泊料金に手数料の上乗せがないトクーが最安価格の宿泊予約サイトになる可能性は高いと思います。
109円で泊まれるトクー市は宿側にとっては広告ですがユーザーにトクーの安さを宣伝する上手い告知だと思います。
ネットエージェントにとってトクーは脅威だと思います。
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
管理人も10年ほど前、トクーに入っていた記憶があります。これからの宿泊予約は会員制(会費制)になると思い、このビジネスモデルには注目していましたが、いつのまに旅の窓口利用だけになってしまいました。
会費を払ってまでも会員になるかどうか。ヘビーユーザーならともかくここが難しいところですね。最安値の比較が難しいのも旅行ビジネスが他のコマースと異なる点です。
そうですか。
確かにトクーの一年会員5250円と月額会員440円(12ヶ月間退会不可)という会員システムは大きなネックでしょうね。
私は数年前に一休.comの個人投資家説明会に参加して社長に質問したことがあります。
社長が「手数料を7%から8%に値上げする」と言ったので「一休のビジネスモデルは当初は画期的だったが最近はホテルの自社サイトでも割引料金で予約できるようになってきている。値上げして大丈夫か?」と質問しました。
すると社長は「今後はホテルがライバルになるが大丈夫か?という質問だと理解した。ただ、ユーザーは色々なホテルの宿泊プランをポータルサイトで比較して決めたいから弊社のビジネスモデルは大丈夫だと思う」と答えました。
利便性のコンビニ(ネットエージェント)と安さのディスカウントストア(ホテルの自社サイト&トクー)の競争のようなものなのでしょうか。
通りすがりさん、返信が遅くなりました。
一休のビジネスモデルは当初秀逸でしたが、最近では他のネットエージェントが高級市場に参入しており、優位性・差別化が難しくなって来ていますね。
ネット予約市場は既に2社がほぼ独占しており、トクーの場合、その違いをいかにPRできるかにかかっているのでは。リアルエージェントが得意とする法人市場に需要があるような気がします。また、ホテルの自社サイトに関しては、ベストレートでの提供、さらにオマケを付けることが必要でしょう。
私は69歳になるおばさんです。いままでお友達4人とじゃらんポイントを使って少し安い位ですがそれでも皆が喜んで楽しい旅行をしていました。所がホットペッパーというのが+されて旧じゃらんポイントが使えない所が多くなり楽しみがなくなってきました。私達の世代が平日旅行される方が一番多いのでは無いのですか?私達には化粧品とか居酒屋とかはもうあまり関係ありません。そんなのが+されても使いません。今までのポイントで十分です。ごちゃごちゃわかりずらいものは辞め他社と競争せず自分流を貫くことがお客さんが遠ざから無いのではと私は思います。
チョコさん、はじめまして。
管理人も美容院や居酒屋のポイントはいらないと思います。旅は旅です。ホットペッパーを利用する層は宿泊機会がそれほど多くないのでは。逆に宿泊回数が多い層がホットPを利用するかも疑問です。
じゃらんの手数料値上げ、そしてホットPのポイント付与問題は企業側の都合が優先されており、宿とその利用者の声が無視された格好です。