東北新幹線の新青森開業を12月4日に控え、函館市や北海道新幹線新函館開業対策推進機構などは10日、今秋に南東北・北関東を中心に実施する観光キャンペーンの内容を発表した。2015年度の北海道新幹線開業を見据えた中で、キャッチフレーズを「いか。ないと。函館」とし、東北新幹線沿線駅での観光キャラバンや北海道物産展でのPRを通じ、オール函館で冬の函館観光をアピールする。(9/11付 函館新聞)
先日、青森へ行ったが新幹線延伸で青森駅周辺も整備が進んでいた(駅は新青森だが)。東京から青森まで3時間10分なので、5時間10分程度で結ばれることになる。東京・博多間ののぞみ号所要時間と変わらなくなるが、乗換えがあり、航空機利用者がどのくらい新幹線乗り継ぎにシフトするであろうか。
それでも函館がまた一歩、東京から近づいた実感はある。八戸では遠くかんじるが、青森となると違う。函館市が観光キャンペーンに打って出るのは当然であるが、「いか。ないと。函館」のコピーには失笑してしまった。函館を代表する食材のイカと、クリスマスファンタジーや夜景など、冬の夜の美しさを掛け合わせたものだが、相変わらずのパターンである。
一昨年は山手線にラッピング電車を走らせ、昨年は新宿アルタのモニターに「イカール星人」を映し出し、観光PRをした。イカール星人は若者層を中心にそれなりと認知されかけているが、それが観光集客に結びついているかというと別問題である。
イカへのこだわり、クリスマスファンタジーのプロモーション強化がこのところ函館観光PRで目立つが、どこかずれている気がする。函館へ訪れる観光客はイカではなく、朝市のカニの印象の方が強いようで、クリスマスファンタジーとなると殆ど認知されていない。
どうもメッセージを伝えたい側と受け取る側にズレがありそうだ。イメージとして伝わっている函館は曖昧且つ表面的なものであり、そのズレを修復するのは大変なことである。はっきり云うとイカは地元が思っているほど訴求力がないと管理人は考えている。
夜景や異国情緒だけでは飽きられて、リピーターが育たないというのも理解できるが、むしろシンプルで抽象的、イメージ優先のPR戦略が合っているのではないか。
今一度、函館観光の原点(もっとも賑わっていた頃の手法)に戻ってみてはいかがであろうか。時代は経過しても、函館を訪れる観光客の志向はあまり変わっていないと思われる。
全くの同感です。函館の魅力というのは京都のそれと似ているのだと思います。独特の街並みとおいしい和食。函館では和食のところが海産物となるのでしょうが、イカはワンオブゼム。イカを食べたくて函館に来る人は極々少数派。むしろカニの方が多いでしょう。イカで函館をアピールするのは、八ツ橋で京都をアピールするようなものだと思います。
私も「いか。ないと。函館」には失笑しました。
ニューオーテオーナーさん、コメントありがとうございます。
さすがに朝市の前、観光客のハートをよく掴んでいますね。イカはいつからか一人歩きをしたかんじです。おしゃる通り、one of themなのです。
函館でカニが捕れなくても、鮮度がよく、評判よければ、それはそれでいいのでは。但し、函館観光のクオリティはいつまでも変わりませんね。しかし、日本の観光地はどこもそんなレベルです。
イカやがごめ昆布にしても提供する側自ら函館名物やブランドを強引につくっています。消費者(観光客)を無視した名物づくりは押し付けに繫がり、発展しません。
管理人は夜景なら夜景と原点に返り、PRをした方が遥かに効果的と考えています。
わたしのいる稚内もオオナゴで売っているところですがいまいちです。やはり内地(あえてこう表記します)の観光客の方はカニなんですよね。ただそのカニもロシア産。函館のカニも似たものかなー。そういった中で自前でとれるイカは函館のある意味シンボル。それを全面に出し函館のいろんな魅力 たとえばB級グルメとかを宣伝するのは方法的にありとわたしは思いますが。あーいうコピーはセンスないですよね(笑) やはり中高年団体客向けの朝市カニ一辺倒では逆に個人客がこれからはダメですね
てっぺんさん、コメントありがとうございます。
稚内観光もリピーターづくりに苦労されているのではないでしょうか。まだ鉄道旅行が中心であった時代、稚内駅を降りると何軒かのカニ屋があり、結構しつこく声を掛けられた記憶があります。
需要があるからカニを売る(出す)、カニを土産に買う層は団体客か一見さんでリピーターにはなり難い、そんな悪循環の中に「カニ観光」があるような気がしますね。