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道の宿格付け案が中止、一方通行のミシュラン形式はもはや古いのでは

高橋はるみ知事肝いりで始まった「道内宿泊施設の格付け制度導入に関する懇談会」による格付け制度の導入を当面見送ることになった。この制度、一見よさそうであるが問題点がいくつかある。
まず、サービスや味といった主観要素が強い個人評価によって決まるミシュラン形式なのか、または、欧州の政府観光局のように施設内容(おもにハード面)による格付けなのかによって大きく違ってくる。
いちばん大きな問題は公平な立場である道が官主導で民間の格付けに関わっているということが大きい。
現在、サイバーエージェントや旅行会社が運営するサイトの口コミや星評価で既にかなりのものがわかる時代になっている。それらの情報が客観的で公平かというと別問題であるが、そのあたりは利用者が情報を選択する目を持ち始めており、以前ほどの情報レスや誤った選択はしなくなっている。
また、米国のZAGATのようにホテルやレストランをアンケートにより、客観評価するサイトがいくつか出てきている。
数年前に日本温泉協会が温泉施設の格付けをはじめた途端に多くのクレームが入り、骨抜きの内容となった。その後、白骨温泉などの「偽装」が社会問題となり、結果的に地域レベルで評価基準を設定、温泉協会もあらたなガイドラインを示したが、宿の格付けは似ているところがあり、温泉よりさらに困難を極める。
宿を束ねる団体だけでも道観連や日観連、日本ホテル協会などいくつかあり、民間でもJTBなど旅行会社が独自の「格付け」を行なっており、コンセンサスを得るのは難しいであろう。
単純に施設内容(収容人員、客室内容、宴会場の数、レストランやバーの有無など)で格付け、★で表すことができるが、これでは外国人観光客には参考になっても日本人相手ではあまり意味がない。
宿泊ではないが、「あすらんて」という食を中心とした格付けサービスがはじまっている。道東地域を中心に約30名のコンシュルジュが、おススメの店を紹介するものである。ここは人気モデル旅館として注目を集めている阿寒・鶴雅を運営する阿寒グランドホテルの大西社長などが中心に動いているものだが、宿の格付けも検討していることを聞いたことがある。
評価というよりは、それぞれの宿泊施設の強み、自慢を紹介でき、こういったお客さんに来て欲しい(ターゲット)といった宿側からのメッセージが伝わるようなサービスがあってもいい気がする。
施設や食事、サービスなどは口コミサイトなどで大体想像できるので、むしろHPが無いなど情報発信をしていない隠れた宿などを紹介してほしい。また、宿側に自らの強み、弱みを評価させてみるのも面白い。
宿側の姿勢というものを知りたい。
利用者からの一方通行の情報ではなく、それに対し宿側がどう考えているのかわかれば、web1.0から2.0の時代に沿ったサービスになるであろう。
評価を一方的に受け入れるのではなく、宿側から発信される情報を含め、それぞれの評価をさらに検討・評価し、オープンにした方がオブジェクティブである。
もはやミシュラン形式の評価は古いかもしれない。
 

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