味わいのある看板と店内 とても温かい雰囲気であった
「駅前飯店急行」。北海道南部のJR木古内駅前に、こんな名前の食堂がある。 カウンターと古びたテーブルが5つ。石油ストーブから延びた銀色の煙突が壁を伝い、小上がりには「急行ですがドンコウで営業して居ります」と書かれた紙が張ってある。1957(昭和32)年の開店以来、垣内キミさん(82)が切り盛りする。(5/14付 朝日新聞北海道版)
昨年の今頃、「駅前飯店急行」を訪れた。函館-木古内-小谷石(知内町)を結ぶローカル路線バスの取材(その時のブログは「北海道ローカル路線バスと秘境旅 函館-木古内-小谷石(函館バス)前編 」をご参照下さい)で木古内で途中下車をした折、ネーミングに惹かれて入った。木古内の駅前は他のローカル駅と同様、飲食店の数が激減しており、選択肢がなかったこともあるが、入って正解。なかなか味わいのある店だった。
実は昨年閉店をしたという情報を聞いた覚えがあったがまだ営業していた。正直、嬉しい。しかし、2015年の新幹線駅開業に伴い、駅前が整理されるので閉店は時間の問題かもしれない。
記事によると、「急行」のネーミングは、普通列車しか走っていなかった当時、「急行でも来ればいいね」と願いを込めて店名を付けたのが由来だそうだ。 その後、松前線や江差線に急行が走るようになったが、松前線は1988年に廃止。江差行きの急行もなくなり、新幹線が通れば、木古内から江差へ行く列車もなくなるであろう。
管理人は駅前食堂が大好きだ。地方へ行くと昼食は車でもわざわざ駅前に立ち寄り、それらしき処を探す。どこも個性的な店が多く、メニューも豊富。昼から一杯やっている人も見かける。先月、士別の駅前で入った食堂(名前を失念)もいい雰囲気であった。駅を降り、暖簾を潜れば、その土地の顔が見えてくる。
今は駅前旅館と共に姿を消して行く駅前食堂。道の駅やコンビニでお昼を取るのもよいが、駅前食堂には人間味がある。
近いうちに、「駅前飯店急行」をもう一度、訪ねてみたい。ご当地B級グルメが盛んな折、正統派の木古内名物として残せないものか。
名代の焼きそば 700円なり
管理人様こんにちは。
おいしそうな焼きそばですね。
仕事で何度も訪ねた木古内ですが、知っていれば絶対行って
みたい食堂です。私はいつも、駅界隈で仕事をして列車に乗る
パターンばかりでした。
数年前、木古内出張の折、私の会社の地元の社員から、木古内に新幹線はくるが、立ち退きなどで函館方面へ引っ越す家が多いと聞きました。車で町内を少し見せてもらいましたが、確かにこれから新幹線を迎えるという気配は感じませんでしたね。
これから先は、新幹線工事の関係者も徐々に減るから、寂しくなるでしょう。
青函トンネルの工事を支えた当時の地元もそうでしたね。
機会があれば、是非訪ねてみたい食堂です。昔は夕張市内の夕鉄、国鉄の駅近くにはそこそこに駅前食堂みたいのがありましたね。
元夕張市民さん、コメントありがとうございます。
木古内は新幹線が停まって、万々歳のはずなのに活気が伝わってきませんね。江差方面や函館方面の在来線が廃止になれば今より活気がなくなってしまうかも。
昨年、木古内の山の中で新幹線のトンネル工事を見ました。亀川冷泉という「秘湯」へ行く途中ですが、その温泉も先日廃業してしまったようです。新幹線とは関係ないかもしれませんが、駅前食堂同様、ローカルなものは消え行くのでしょうか。
夕張は清水沢の駅前に現役で駅前食堂が営業しているはずです(ラーメンかもしれない)。
はじめまして。
今日(5月26日)の12時頃に、この店に入りました。
先客が4、5組いましたが、並んだり待ったりすることなく
席に座りました。
その直後、こんなやりとりがありました。
先客:すみません。オーダーおねがいします。
店員:(無言)
先客:あのぉ、オーダーしたいのですが。
店員:(無言)
先客:オーダー、並(焼きそば)3つで。
店員(店主と思われる女性):今たてこんでるのっ!! 後にしてっ!!
先客は絶句して店を出ました。
私も同行者とともに席を立ちました。
これもまた現実です。
以下は好みや主観ですが、私はなんとなく入りにくい
何かを店構えから感じていて、木古内を何度か訪ねても
この店の前をずっと素通りしてきました。
駅前食堂に入るということは、地域の日常にお邪魔する
という謙虚さが必要なのかもしれません。
今回目撃したやりとりは、その「日常」の一部なのでしょう。
そう思って、あえてコメントしました。
hagino-iburiさん、はじめまして。
駅前飯店のレポートありがとうございます。ちょっと残念な気もしますが、管理人が訪れた時もオーダーを取りに来ないのでこちらからカウンター(厨房)へ。主人らしい老女ともうひとり女性スタッフが居た記憶があります。
決して、愛想はよくありませんでしたが、いたって普通の駅前食堂の風景。最後はニッコリしてくれて、80ウン才と書かれた店を紹介した新聞記事があったので、応援したい気持ちで出てきました。
飲食店は第一印象で決まるので難しいですね。余裕がなかったのでしょうが、おっしゃる通り「日常」が出てしまったのかもしれませんね。悪気はなく、北海道らしいという云えばそれまでですが。
ずいぶんと前の記事にコメント失礼します。
hagino-iburiさんのコメントを読み、自分のもやもやが晴れた気がしたので、横からお話させて頂きます。
自分もつい先日、こちらにお邪魔しました。
店に入った時にこちらから「ごめんください」と何度か挨拶したのですが、視線を寄越すものの返事なしで、どうしていいかわからず、30分近く待たされ、列車の時間に間に合わないと判断し、結局何も頼まずに退店しました。
その間、店主のおばあさんは他のお客(おそらく地元の方)の分を作っていたようでした。
いくら趣があって、歴史もあって、鉄道ファンに愛されるお店でも、最低限必要な「何か」ってあると思うんです。
おばあさんの気紛れな性格もありましょうが、こうした排他的な所が、北海道観光の首を絞め、お店自体の首を絞めていると感じました。
此方としても、こういう歴史を伝えるお店が無くなっていくのは非常に残念でもありますから、改善を願うばかりです。