函館市の観光地の中心部にある「金森(かねもり)美術館」が閉館したことがわかった。1989年に開館した当時は、仏バカラ社の高級クリスタル製品を常設展示する仏国外唯一の美術館として注目され、年間約3万人が訪れるなどにぎわったが、国内でバカラ社製品を扱う店が増え、近年は来館者数が伸び悩んでいた。(6/17付 読売新聞北海道版)
金森美術館は函館の赤レンガ倉庫近くに1989年オープン。館内には、バカラ社製の大型の花瓶や水差しなどクリスタル製品約60点が展示されており、バカラ社製品を常設展示するフランス以外では唯一の美術館であった。
開業時はバブル期、バカラブームとも重なり、開館後しばらくはグラスやアクセサリーを買い求めるバカラファンが相次いで来館し、ピーク時には年間約6000万円を売り上げたが、近年は来館者数が伸び悩んでいた。
バブル期には国内各地にアートミュージアムがつくられた。小樽には「北一ヴェネチア美術館」が金森と同時期につくられている。当時はバカラやヴェネチアグラスなどの高級品は東京でもなかなか手に入らず、わざわざ函館や小樽まで買いにきた客も多いようだ(管理人も母がヴェネチアングラスが好きなので小樽で買ったことあり)。
まもなくブランドガラスや食器などは百貨店に多数流通するようになり、さらに円高で欧州まで気軽に買出しへ行けるようになった。その後、ブランドものを取り扱う量販店などにも出回るようになり、その頃から飽きられ始め、さらに日本の長期経済低迷(不毛の10年)もあって、すっかりこれらの商品の価値は下がってしまった。最近ではウエッジウッドの倒産、バカラも米国資本になったようで、最顧客であった日本人が買わなくなったことが大きく影響していそうだ。
観光地にはお決まりのミュージアムが多数ある。欧州のブランドものの他に、よく見かけるものとして、テディベアミュージアム、トリックアート、片岡鶴太郎などで他にもありそう。どれも一見さん相手で全国展開しているのであろうか。
そろそろこういったミュージアムは飽きてきたこないか。日本人の目も肥えてきているのでこれからは難しいであろう。
先日は返信ありがとうございます。
金森美術館の閉館はもう大分前にDMをいただき知っておりました。
確かに首都圏や近畿圏、名古屋方面や札幌近圏などでは、そういう食器ブランドはバッグや服などのブランド名(ヴィトンやグッチなど)と同じくらい知られていますが、そういうものを知ることのない場所(たとえ百貨店があったとしても)釧路などではまるで住民には縁のないものです。
単純に、美術品として鑑賞にいくのなら、それでも最近の美術館、博物館経営としては厳しいものがあるのにブランドの名に呑気にしていたのではとも思ってしまいます。
(けれど、ラリック展など、美術館で企画すると長蛇の列)
はっきり言って、道内の札幌近辺を除くほとんどはウェッジウッドもバカラも百円ショップの皿やグラスと一緒でしょう。
確かに一見客が来れる好立地か、完全にブランドの商売っけをなくし、純粋に美術館としなければ難しいのではないでしょうか?
追伸:
>日本人の目も肥えてきた。
一体何処の日本人のことなのか。
少なくとも札幌以外の特に道東では、それはありえない。
gardendragon,こんにちは。
都市部にある大きめの美術館(公立美術館)と観光地や個人コレクションの美術館とでは分けて考える必要がありますね。金森のような観光地美術館では土産物収入が占める割合が大きいと思います。特にバカラやヴェネチアングラスなどの高価なブランド品では顕著ですね。公立美術館でも今ではアート売店や飲食などへの比重が大きくなっていると聞いています。
>確かに一見客が来れる好立地か、完全にブランドの商売っけをなくし、純粋に美術館としなければ難しいのではないでしょうか?
岩内の木田金次郎、鹿追の神田日勝記念館などは純粋な美術館で後者です。民間ながら物販に依存せずに成功しています。金森などはツアー客が主体ですが、客層の違いもありますね。
>日本人の目も肥えてきた。
この意味はアートやカルチャーが好きな日本人のことを指しています。特にバブル期以降、世界の名画や一流品に触れる機会が増えたので、一見さん相手の子供騙しでは通じなくなったという意味です。
それと「ウェッジウッドもバカラも百円ショップの皿やグラスと一緒でしょう」とは意味が違います。ヴィトンのバッグは持ってもバカラを購入する地方都市住民は少ないでしょう。お披露目する機会は少ないですし、一点豪華でいいのです。きっと美術館で薀蓄(うんちく)を傾けているオバサン連中もバカラではなく、家では百円ワイングラスでは。