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西武グループ再編と北海道

西武鉄道グループの経営改革委員会がグループ再編計画を発表した。グループ中核企業のコクドのリゾート部門と西武鉄道を合わせた新会社構想が盛込まれ、この新会社のもとで業績の悪い施設は淘汰されそうである。道内にはコクドの施設が26箇所あり、その多くが苦戦をしいられている。道内のコクド関連施設をまとめておきます。
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■スキー場8ヶ所
真駒内・北広島・ニセコ東山・深川・富良野・函館七飯・津別・糠平温泉
■ホテル8ヶ所(すべてプリンスホテル)
札幌・札幌北広島・ニセコ東山・富良野・新富良野・大沼・釧路・屈斜路
■ゴルフ場10ヶ所
札幌北広島・ニセコGC・ニセコ東山PH・新富良野・富良野・大沼P大沼駒ヶ岳・北海道CC大沼・上士幌・女満別
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道内各地に施設が点在しているが、中には素人目に見ても採算が取れるのか疑いたくなるような施設がある。改革委員会では苗場・軽井沢・箱根など首都圏に近い施設に経営資源を集中し、北海道は東北などとともにリストラの標的になりそうな気配である。コクドが北海道へ進出したのは1965年、七飯町の北海道CCが最初であるが、札幌五輪を契機に札幌プリンスホテル(以下PHと略)、富良野PHなど続々オープンをさせ、オーナーである堤義明氏のスポーツ・コネクションにより富良野ではスキーW杯が開催された。
1980年代、まだ日本が元気であった頃、コクドはPHやレジャー施設を拡充させた。たとえば苗場のPHは増築を重ね客室数が千を超える巨大リゾートになった。そしてスキーの大衆化とともに苗場=PHとなり若者の憧れとなる。また、人里離れた過疎の村にスキー場を作り、ゴンドラを山の頂まで延ばすことで全国各地からオファーがかかりスキー場を増設した。志賀高原の焼額山や秋田の森吉など自然保護運動との対立もあったが概ね、「おらが町に西武のスキー場がきた」ということで地元には歓迎された。
道内では深川・糠平・津別などがその例に当てはまる。ホテル・スキー場ゴルフ場の三点セットが揃っていれば来客が見込める-これが西武・PHの基本事業スキームであったはずだ。
90年代に入るとスキー客とゴルフ客の激減は経営を圧迫した。しかし、こういった現象はバブル崩壊後、西武グループだけのものではなく凋落の本質的な原因はもっと根深く一連の不祥事がそれを炙りだしている。
PHの手法は「はこ物戦略」である。つまり大きく、立派な建物を風光明媚の場所に立て、あとはレジャー施設を作ればプリンスブランドで客はやってきてくれる-そんな図式ではないであろうか。最近では札幌プリンスホテル新館タワーがオープン。小泉首相もオープンに招かれたが「苦戦している」とホテル関係者はみている。
たしかにPHはホテルの大衆化に貢献をした。しかし非・日常性を満喫したい観光地でお決まりのPH流サービスではもはや消費者が満足しなくなった。目が肥えた消費者はPHの戦略を見通していることに企業側が気づかなかった-気づいたとしても大組織・オーナー企業のため反応が遅かったのではないであろうか。安いパック旅行ならPH、リゾート気分を味わうなら洞爺ウインザーホテルへ行くなど消費者は棲み分けをする時代であり、PHは残念ながら大衆路線を引いたことで自らを圧迫させたような気がする。
道内各地のコクドのレジャー施設は、地域に溶け込み、観光産業のみならず地域経済を支えている。西武グループ再編の行方の中で大幅撤退となれば影響は計り知れないはずだ。再編を注意深く見守る必要がある。

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