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マッカリーナと「地産地消」の危うさ        

先日、真狩村にあるレストラン「マッカリーナ」へ足を運んだ。
マッカリーナは全国的に知られたレストランで宿泊施設を併設した第三セクターの施設である。
あまりにも有名な店なので行く前には不安もあったが、実際に足を運びその素晴らしさに感動をした。
感想から言えば奇跡の第三セクターといっていいだろう。
ジャガイモやアスパラガスなど真狩村の豊かな食材をふんだんに使うのがウリであるが、これほどまでに野菜が美味しいものだと思わなかった。料理は決して斬新なものではなく、むしろオーソドックスに近い。
よく素材の旨味というがここでは素材が主役である。また、環境が料理を美味しくしていることを実感した。
真狩という自然以外何もない田舎で、畑と羊蹄山、ニセコ連峰などの山を眺めながらいただく食事はこの上ない贅沢だ。素材と環境が微妙なハーモニィを引き出している。
従業員の自然な笑顔も気持ちがいい。儀礼的な笑顔ではなく、こころからこのレストランを愛しているとかんじる笑顔だ。
北海道は素材は一流、サービスは三流といわれるが、ここではどれもが一流であった。まさに地産地消を理想的に実現した店がマッカリーナである。
「地産地消」という言葉が出て久しい。
地産地消とは、ご存知のとおり「地元で生産されたものを地元で消費する」という意味であるが、経済的な効果だけではなく、暮らしている地域で採れたものを食べるのは身体によい、地域の食文化の保存といった健康・文化・思想にまで及んでいる。
関連する言葉として「スローフード」や「スローライフ」、観光を関連づけたものとして「グリーンツーリズム」や「ブルーツーリズム」などがある。
しかしながら地産地消、イメージが先行してなかなか実体が伴ってこない。道では北海道や地元の食材を活用した料理を提供する道内の旅館やホテルなどを「北の食材こだわりの宿」としてPRしているが、ただ目の前で採れたものを食卓へ無造作に並べるだけでは「こだわり」でも何でもないと思う。
「北の食材こだわりの宿」をPRしている宿(特に公共の宿などの三セク系)の多くが、このパターンである。
北海道の山奥の温泉ホテルでカニやマグロの刺身を出すのが問題になってからの反省もあるだろうが、現状では単に地元の食材を提供しているのに過ぎず創意工夫がされているところは少ない。
残念ながら民宿の延長線上の食事内容が目立つ。
マッカリーナと単に地元の食材を並べているだけで地産地消と売り物にしているところとの違いは何であろうか?
行き着くところ「意識」の問題であると思う。料理の本質とは何か。サービスの真髄とは何か。
大多数の三セク施設(民間も含め)のスタッフは意識がそれほど高いとはいえない。多分、マッカリーナを真似ても形だけのもので終わってしまうのではないであろうか。
高級な食材を使ったり、凝った料理ではなくても、こころがこもっているものであれば客にそれが通じるはずだ。
上からのお仕着せではない現場からの意識変革が遂げられれば北海道は大きく変わると思うが。

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