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19歳は全国スキー場のリフトが無料 「雪マジ!19」は戦略性のあるプロジェクトだ

snowmagic[1]

若者のスキー離れが叫ばれてから久しい。

スキー場業界は1992年をピークに20年に亘り、市場を縮小しており、解決策が見つからないまま”失われた20年”が続いていた。その間、設備投資も殆ど行われず、ゲレンデは陳腐・老朽化し、価格設定などサービス面も硬直的していた。

そんな状況の中、今シーズンより19歳はリフトが無料という全国キャンペーン「雪マジ!19」が始まった。これは19歳を限定に約全国80箇所のスキー場が1シーズン無料で楽しめるというものだ。リクルート「じゃらん」が音頭を取るかたちで北海道から九州までのスキー場が参加をしている。

1992年4月2日~1993年4月1日生まれであれば、誰でも利用ができる。ゲレンデによって全日無料・平日無料・ナイター無料など条件は異なるが、シーズン中は専用サイトに登録をすれば何度でも利用することができるのだ。

最近になって「私をスキー世代」のファミリー層をターゲットにプロモーションが盛んに行われている。北海道ではその世代の出張サラリーマン向けに「手ぶらでスキー」なるキャンペーンもあったが、夢よもう一度でアイデア自体、全体的に受身の感は拭えなかった。

と言うのは、家族連れをターゲットにした場合、その子供たちが将来リピータになるかどうか難しい側面もあるのだ。

たとえば高校生未満の場合、費用は親の負担のため、なかなかエントリーするハードルが下がらない。また、小学生で始めたウィンタースポーツも中・高(6年間)は受験や部活・アルバイトなどで忙しく、親よりも友人との遊びを重視するため、一旦、脱落する可能性が高い。さらに高校卒業後に再開する時にはスキーからスノーボードに転換する率が高い(80%超)ため、小学生時代の経験とはある程度独立した形で、リセットし、ウィンタースポーツにエントリーさせる必要がある。

データによると、高校卒業後19歳-22歳の間にスキー・スノーボード経験のない人は、90%以上の確率でその後、一生、スキー場に足を運ぶことはない。 また、現在の20代社会人は45%にスノーボード経験があるが、現在の学生には18%しか経験がないという。

しかし、学生に対するアンケートで、「昨年、スキー場に行きましたか?」へのYES回答が9% しかいない一方で、「スキー場に行きたいですか?」へのYES回答が50%超。40%以上の潜在需要があることが分かったという。

つまり18歳~22歳の間に一度、ゲレンデに足を運べばリピータになる確率が高く、いちばんよいのが19歳という訳だ。この1シーズンに楽しさを知ってもらい、 生涯の顧客になってもらおうという戦略だ。 鉄は熱いうちに打てである。

今の19歳が生まれた頃はスキーからスノボーへシフトをする頃で、巷には広瀬香美やZOOの曲が流れていた。ゲレンデがエンターテイメント化し、もっとも華やいでいた頃だが、要は「きっかけ」次第で、若者が戻ってくる可能性を秘めていると思う。

今回はリフト代のみ無料だが、道具やウエアのレンタル、レッスン、宿泊代なども無料化できればもっと市場は広がるであろう。

最近の若者はスキー場でも消費をしないというが、それは昔から変わらない料金システムにも問題があるのではないか。学生から見れば高過ぎる。たとえば、初心者がレンタルを使えばリフトとレッスンを無料にするぐらいのことはしてもいいと思う。既成に囚われない改革に期待をしたい。仮に19歳の数パーセントしか来なかったものが10%に増えただけでも状況は変わるはずだ。

*今ブログのデータなどは新潟県池の平スキー場の「池の平スキー場管理人ブログ」を参考にさせていただきました

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