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ヤフートラベルが手数料を無料化、宿泊予約サイト業界の革命となるか

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ヤフーは今夏をメドに宿泊予約サイト「ヤフー!トラベル」で、成約した際に宿泊施設が払う宿泊料金の10%相当の手数料を無料にする。宿泊施設は同5%相当をポイントとして消費者に付与する。負担を軽減して宿泊施設の登録を増やすほか、実質値引きで利用者も呼び込む。楽天トラベルなど他の予約サイトとの競争が一段と激しくなりそうだ。 (2/26付 日経

これまでヤフートラベルは楽天やじゃらんのように自社で旅行会社を持ち、販売をするのではなく、宿泊予約サイトと提携するかたちで商品を販売する“アフィリエイト型”での展開をしていた。現在、国内の宿泊予約は「JTB」と「じゃらん」、「一休」などの商品を販売しているが、今後はヤフー自ら宿泊施設と契約をする直販形式に変えて行くという。

新サービスでは、「宿泊施設との間で直接契約を行う」、「システム利用料(手数料)が無料になる」などのほか、「自社サイトへのリンク設置が可能」といった特徴がある。また、利用者の満足度向上のため、Tポイントの付与率は最低5%最大14%にするという。還元するTポイントの原資5%+ポイント手数料0.3%を宿泊施設が負担する必要があるが、予約発生時の手数料が無料というのは画期的なことであり、これまでの宿泊予約サイトビジネスの常識を覆すような内容である。

ヤフートラベルは宿泊予約サイトとしてはかなり老舗の部類に入る。はっきりしたスタート日はわからないが、管理人は2000年には仕事で打合せをした記憶がある。宿泊予約サイトの元祖は「旅の窓口」であるが、こちらの発足は1996年で楽天トラベルに事実上統合されるのが2004年、じゃらんのメジャー化はさらに後なので、ヤフートラベルは地味な存在ながら歴史はある。

はっきりした数字はわからないが、宿泊予約サイトビジネスは楽天&じゃらんの寡占化が進んでおり、この2社で8割近いシェアを占めているであろう。残りを各社で取り合っているが、ヤフーは予約数では一休、るるぶ、JTBなどより多く、三番手であると思われる。しかしながら前述したように直販形式ではなく、この3媒体のアフェリエート型なのでどこが三番手かは難しいところだ。

今回、無料化する手数料であるが、最近では各社上昇しており、12~15%以上になっているという。かつて「旅の窓口」は6%という大手旅行代理店の半分以下の手数料を打ち出したことで宿側にも受け入れたれたが、最近では手数料値上げだけではなく、ポイントの負担やSEO対策費用などでかつての旨味がなくなってきている。しなしながら2大宿泊予約サイトなしではやっていけず、2社が宿側の弱みに付け込み、やりたい放題というのが現状ではないか。

本来のネットビジネスは途中の省力化により、消費者とその中間に位置する事業者に恩恵をもたらすものであったはず。ところが手数料は大手旅行代理店が仕切っていた時代と同じか、むしろ高くなっており、縛りも増えている。当然、エンドユーザーにもはねかってくる訳で仕方なく使っている方も多いのでは。宿側も自社サイトでベストレートを打ち出すなどしているが、ネット運営やシステム上の問題もあり、現実的には2大サイトに頼らざるを得ないところだ。

最近、ヤフーは「ヤフオク!」のストア出店料を無料化するなどの“eコマース革命”施策を発表している。IT業界では巨人ながら保守的なため、先行きが危ぶまれた同社であるが、このところいっきに攻勢をかけている。ネットストアの出店料を無料にすること自体、業界のタブーを破るものであるが、これに続いて今回の手数料の無料化。宿泊施設のかかえる負担を軽減すべく、無料化施策を決定したとしているが、予約サイトと宿側の関係が健全化し、利益が消費者にも還元されることを望む。

この新しいモデル、ヤフーだから出来るという部分もあるが、宿側の反応がよければ2大サイトもウカウカしていられないであろう。成熟し、飽和している宿泊予約サイト業界であるが、今回の無料化は”最終兵器”であり、業界のビジネスモデル、構造を大きく変える可能性があるものだ。

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