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ホテルのベストレート(最低価格保証)は必要か

Expedia

最近、ホテルの「ベストレート」や「最低価格保証」(ベストギャランティ)という言葉をよく耳にするようになった。拙サイトでも何度かこのテーマを紹介しているが、簡単にいうと、同月、同日、同条件で、そのホテルの宿泊予約をするときに、そのページで表示されている料金が、他サイトよりも安い事を保障するというものだ。

オンライン・エージェント(宿泊予約サイト)とホテルの自前サイトの両方でこの表現を使っているが、上に張り付けた「エクスペディア」では、24 時間以内に、同じホテルをより安い金額で予約できる他サイトを見つけた場合、20,000 円を上限として差額の 2 倍を返金するというキャンペーンを行っている。いかにも”外資系”らしいプロモーションであるが、管理人はこの「ベストレート」というものに疑問を感じている。

まず、オンライン・エージェントの返金だが、同一条件での比較というのが結構難しいのだ。サイトや商品によって、キャンセルポリシーが異なり、24時間以内という条件も付く。同じものというのはありそうでなく、すべての条件が揃わないと返金がされない。このキャンペーンはオンライン・サイト側のキャッチであり、ユダヤ商法的な感じがする(エクスペディアのかつての親会社マイクロソフトもユダヤ系だが)。

もうひとつホテル側が自前サイトでの最安値を訴えている件だが、その違いたるや微々たるもの。先日、管理人は道内某ビジネスホテルチェーンにホテル側サイトから予約を入れたが、オンライン・エージェントとの価格差は僅か百円であった。このホテルチェーンは、サイト内でベストレートのことを謳っていないのでまだ良心的かもしれないが、ビジネスユースの場合、概ね同料金か百~3百円程度の違いといったところであろう。

管理人はこのベストレートやオンライン・エージェントの登場により、細分化された宿泊商品が利用者のためになっていないのでないかと思っている。たとえば、最安値の客室を予約したとする。通された客室はそのホテルの中でももっとも条件が悪い部屋ということで、これでは安かろうの何とかである。以前は最低金額でも閑散日や連泊であれば、よい客室に通してくれたものが、最近は最初に申し込んだ内容と同じものということが多い。商品が細分化され過ぎており、シングル、DXシングル、ダブル、ツインシングルユースなど申し込んだ客室にそのまま通され、グレードアップされる機会が減ってしまったことが残念だ。

自前サイトでベストレートを謳う場合、僅かな金額の違いを訴えるよりは、前述したような客室のグレードアップやポイントのアップ、朝食の割引など料金以外の面で付加価値をつくった方が予約サイトとの差別化につながるのではないか。電話予約の時代は、融通が利いたものが、今では利かなくなってしまっている。これはホテル側にとってもお得意様(リピーター)を失う結果につながっているはずだ。もうひとつ付け加えれば、ホテル自前サイトからの予約は、慣れない画面入力などで手間取ることが多く、いまだ脆弱なシステムのものがある。このあたりもオンライン・エージェントと太刀打ちするにはクリアしなければいけない問題である。

ベストレートは料金的にはほとんど差がなく、今のところ利用者が宿泊予約サイト、ホテルの自前サイトのどちらから入っても恩恵は少なく、それを訴えるオンライン・エージェントが美味しい思いをしているように思える。海外は客室を売る(在庫をさばく)のがビジネスだが、日本の場合は2食付の旅館もあってそれだけではないのだ。

参考までにベストレートをチェックすのによいサイトがある。その名もズバリ「ベストレート」だが、14ある旅行サイトを横断的に検索できるもの。こういったサイトはいくつかあるが、すべての宿泊プランと部屋が載っており、最初に宿を決めてから調べると思いもよらない掘り出し物が出る。実はこのサイト、2007年4月に拙サイトで紹介済みだが、まだベストレートといった概念がなかった2006年に始まったサービスであり、言ってみれば元祖である。

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