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まずは存在を知らしめることが大事な北海道新幹線の宇都宮停車問題

函館市の工藤寿樹市長、栃木県宇都宮市の佐藤栄一市長ら両市の政財界関係者が18日、JR東日本と国土交通省を訪れ、2016年3月開業の北海道新幹線「はやぶさ」の宇都宮駅停車に向けた要望を行った。両市合同での活動は初めてで、工藤市長は「1日何本か停車させ、両市の交流人口増加につなげたい」と述べた。JR側は今秋までに結論を出す考えを示したとしている。(2/19付 函館新聞

新幹線が停まらない似たような話としては、「のぞみ」が静岡と浜松に停車をせず、県からクレームが出た例がある。静岡市の人口は80万人、浜松が70万人なのに対して宇都宮は50万人。これだけ見ると通過は仕方がないかと思うが、ビジネス需要が多い東海道に対し、観光がターゲットの東北・北海道新幹線。仮に10分程度遅くなってもあまり問題はないかと思う。

重要なのは本数だが、「のぞみ」の場合、山陽区間の福山や徳山にも1日10本ぐらいは停車しているのに対し、「はやぶさ」がもし停まるとしても運行本数からして1~3本程度であろうから、新幹線=北海道を認知させることが目的の、栃木や北関東住民向けのプロモーション狙いということになるであろう。

静岡県内の「のぞみ」の場合、「ひかり」と「こだま」の接続がよく出来ているので不便さはあまりないはずだ。管理人は東海道新幹線の利用は小田原駅が多いが、「のぞみ」は停まらず、「ひかり」も1日8本程度、しかし名古屋までは1時間10分、新大阪までは2時間20分と「のぞみ」とあまり変わらず、運賃も安く上がる小田原を利用する。新大阪以西利用の時は新大阪や名古屋で乗り換えとなるが、数分程度の接続であり、売店を覗いたり、途中下車をしたりとあまり苦に思うことはない。

一例だが、宇都宮エリアの住民が羽田空港朝出発の北海道パックツアーで行くとすると、まだJRの始発はなく、宇都宮を早朝発のリムジンバスに乗らなければならない。需要があるのか何と3時台から5時台にかけて4本の羽田行きの便があるが、そう考えると宇都宮停車以前の問題として新幹線は便利である。

「はやぶさ」の場合も、北関東から南東北エリアの駅に停まる他の新幹線との連絡をよくすることの方が現実的な施策ではないか。特別料金を取っているので、宇都宮に停まらない「はやぶさ」との所要時間との兼ね合いもある。当然、来年のダイヤ改正では、そこを意識したものになるはずであるが、要は北海道へ向かう北関東圏の住民を少しでも新幹線にシフトできればよい訳だ。

この宇都宮駅の停車問題については新幹線が開業する前から冷遇されていた印象がある。在来線特急時代の「ひばり」や「はつかり」なども半分以上が通過していたのに対し、大半の特急が停まり、駅弁購入の時間があった郡山や高崎と比べて印象が薄かったのもこのあたりが理由かもしれない。

宇都宮にとっては北海道や北東北の客を落ち込んでいる日光などに送客したいであろうし、今回は両者の思惑が一致したということだが、優等列車の停車駅問題はいくら時代が進んでも政治も絡み、消えないテーマである。かつて高崎線の深谷駅に強引に急行を停めて、問題になって名物政治家もいたが、JRが宇都宮停車をどう扱うか注目である。

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