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阿久悠氏死去と「ざんげの値打ちもない」

今日から8月。北海道や観光産業の話題と関係ないが、作詞家の阿久悠氏が亡くなった。ここ数年、たまにテレビで姿を見ると身体が不自由そうで、どこが悪いのかと思ったいたが、がん闘病中であることは知らなかった。
ちょうど今日は甲子園の全代表が出揃った日。毎年、この時期になると阿久氏は、愛する高校野球に関するコラムや詩を書いていたが、これも何かの偶然だろうか。そういえば朝日放送系「熱闘甲子園」のテーマソングは阿久氏の作詞。詞は流れないが、確か高岡健二が歌っているいい歌だ。
昭和歌謡の全盛に育った管理人にとって阿久氏の作品は強烈な印象を残している。歌詞がまるで絵コンテのように焼きついてきて、言葉の天才といえよう。若い頃は、その強すぎる詩が曲を喰ってしまっているようにかんじられ好きになれなかったが、後からその凄さがわかってきた。決して曲を喰っておらず、むしろ最高に引き立てているのだ。同時期に活躍したなかにし礼とは、剛と柔で対極的な作風であるが、文学的であることには共通している。
阿久氏の作品は5千近くあるそうだが、管理人が最近お気に入りなのが、もっとも初期の頃の作品「ざんげの値打ちもない」(1970年・北原ミレイ)である。おそろしく重く、ドラマチックな歌詞であり、それまでの歌謡界の常識を破る、ある種の掟破りのような作品である。若き日の阿久氏のパワーをかんじ、本人もお気に入りのようだ。
以前、この作品のイメージを「ポルトガルの教会のクリスマスの夜」だと聞いたことがあるが、すごい発想力である。
先日、日本映画で「歌謡曲だよ!人生は」が上映された。昭和歌謡黄金時代の名曲12曲をモチーフにした短編12作品で、そのなかで「ざんげの値打ちもない」もオムニバスのひとつになっている。余談だが、ざんげの値打ちもないは、1971年「ずべ公番長・ざんげの値打ちもない」(大信田礼子主演・今、彼女は都倉俊一氏夫人なので阿久悠氏とは因縁をかんじる)というタイトルで映画化されている。すさまじい題名だが、当時は東映夜の歌謡シリーズなどヒット曲と抱き合わせた作品が多い。
尚、札幌のシアターキノで4日から「歌謡曲だよ!人生は」が上映されるので、興味がある人は見てほしい。
「ざんげの値打ちもない」の画像をYouTubeで調べたが、ないのでカラオケ(インストロメンタル)で紹介。
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強烈なインパクトをリスナーに与え、作詩の世界に革命をもたらしたといってもよい阿久悠氏。長く歌い継がれるであろう。
【参考】阿久悠氏オフィシャルサイト

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