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行政と観光協会の関係とは-徳島阿波おどり騒動と鎌倉花火大会のケース-

徳島市からの借入金が返済できなくなったとして、市側から観光協会の破産手続きを申し立てられ、開催が危ぶまれていた阿波おどりであるが、今年夏の開催から、市と経済団体などで新たに立ち上げる実行委員会が主催する形で祭りの開催を目指す方針を決めたという。
本来であれば行政(徳島市)と観光協会は、一蓮托生の関係にあり、突然、補助金を打ち切り、協会を解散させるというのは不思議な話であるが、それだけ大きな利権が動くイベントということであろう。

実は今回のケースによく似た話が昨年、鎌倉市にあった。
鎌倉花火大会は、「鎌倉の三大観光行事」とされる夏の大イベントで鎌倉市観光協会が主催していた。ところが観光協会の非常勤職員が雇い止めになったことが発覚してしまいニュースに。
市側は協会に対して理事会の議事録の提出を求めたが、それを拒否。そのため花火大会への補助金の予算案が市議会で否決された。協会側は補助金を出さなければ開催させないと脅しに近い態度を取り、1948年に始まった大会は中止が決まってしまった。最終的には市民主導のかたちで何とか開催にこぎつけることができたが、補助金が出なければ開催できない(開催させない)という構図は徳島と同じである。

鎌倉花火大会の開催にかかる費用は、約3700万円で内訳は協賛金2100万、鎌倉市からの補助金972万、前年の繰越金約600万という。なので、単年度で見ると鎌倉花火大会は赤字であり、前年の繰越金がなければ運営できないという構図。このあたりの状況も阿波踊りとよく似ている。徳島と違うところは年々、花火の数が少なくなっており、地味になっているあたりか。

もともと観光協会の評判は芳しくなく、管理人もいったいこの団体は何をやっているのかと疑念をもっていたが、雇い止め騒動によってボロが出た結果だ。一般的に市と観光協会は一体で、持ちつ持たれつと思われていたが、ちょっとした利害関係やボタンの掛け違いが発生するとこのようなことが起こる。阿波踊りの場合、歴史もあって規模も桁違いなので、相当な既得権も渦巻いていると思うが、徳島市、鎌倉市のどちらもベースにあるものは一緒のはずである。

徳島市、鎌倉市に限ったことではないが、行政と観光協会の関係は曖昧でズブズブの印象。また、行政側の観光課や観光部と観光協会の中身が被っているところもあり、たとえば観光ホームページが2つあるダブルスタンダートなどの無駄も起こる。
観光協会の民営化を進めているところも多いが、観光協会のミッションとは何であるのかあらためて考えてみる必要があるであろう。

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