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企画力と正確・緻密さの勝利、「日本鉄道旅行地図帳」

新潮社が刊行した「日本鉄道旅行地図帳」が売れている。すでに発売された1号「北海道」(5月)と2号「東北」(6月)を合わせて18万部に達しているといい出版不況の中、ベストセラーの仲間入りだ。この本時刻表の路線図のように歪んでいるこれまでの鉄道地図と違い、正確な縮尺の地形図に路線と駅を忠実に配置することにこだわって作られたとのことが特徴である。地図に関する多くの著作を持つ地図研究家・今尾恵介氏が監修を務めている。
管理人は「鉄道地図表」がそこまで売れているとは知らなかったが、先日、札幌の出版社と鉄道モノで面白い企画がないかと話している時に大ヒットしていると聞かされた。早速、北海道と東北編を買ってみたが、ひとこと面白い!現役路線だけではなく、廃線鉄道地図帳もあり、国鉄・私鉄のほか、簡易・殖民鉄道、森林鉱山鉄道、町営・村営軌道の路線と駅が忠実に再現されているのだ。
廃線や殖民鉄道、鉱山鉄道など扱った鉄道書籍かこれまでかなり出版されており、出尽くした感もあったが、鉄道地図帳は切り口を変えたことで、幅広い層に受け入れられる内容となっている。管理人にとっても初めて聞いた町営鉄道もあり、森林鉄道の線路網など思わす見入ってしまった。それらを見ているだけで北海道開拓の歴史、先日の苦労を偲ばれて興味深い。
「鉄道旅行地図帳」はディープなファンから旅のお供にまで幅広く活用できる佳作だ。価格は680円とお手頃で、薄いのでかさ張らない。
既存の鉄道関係書籍を扱う出版社と違った角度で、且つ精密・正確な力作である。さすが新潮社、企画力の勝利でもある。

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