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駅前旅館の流れを汲む地元ホテルの新たなる挑戦-ホテルニューオーテ(函館)-

函館観光の不振についてはこれまで何度か触れてきた。特にこの3,4年の間に市場規模を無視したホテル(おもにビジホ)建設ラッシュにより、宿泊施設のダンピング競争が起きている。宿泊予約サイトを見ても、観光シーズンの週末でもかなり空いており、シングル3千円台のホテルはザラだ。そんな状況下、連絡船時代から営業を続ける駅前ホテル「ホテル・ニューオーテ」がターゲットをファミリーに変えて、リニューアルオープンをすることになった。このエリアにはなかった新しい試みなので紹介したい。

先日、旭川の知人が函館駅前にある元航空会社系ホテルを2千円台で泊まったと聞いた。最初は耳を疑ったが、これが現実のようである。このホテルがある朝市周辺には、かつて多くの駅前旅館があった。今でも何軒か残っているが、函館を訪れる度に気になっていた。
その中にある「ホテルニューオーテ」が大改装に踏み切ることになった。改装の目的は顧客ターゲットをビジネスから家族層に変え、一室4~5名宿泊できるファミリールームを複数新設することで、新たな需要を開拓することだ。
ビジホは既に飽和状態。大半の全国チェーンが進出しており、同じ土俵では勝負はできない。昨年、拙ブログでも紹介をした「ホテル駅前」のように家族的サービスと全国チェーンに負けない設備で健闘しているところもあるが、同じコンセプトでもうひとつは難しい。そこでニューオーテのオーナーは「家族」という市場に目を向けた訳だが、ここから先はオーナーのブログから抜粋する。
[多少景気が回復したところで、ビジネス需要が戻るとは思いません。生産年齢人口が加速度的に減少していくからです。では、これからは何に頼るべきなのでしょうか。団体旅行から個人旅行というのは常識中の常識。その個人旅行の中で伸びているものは意外と語られていません。「外国人」は伸びていますが別カテゴリー。答えは家族旅行です。
ファミリー層と外国人の取り込み強化を図る為に、この度のリニューアルを決断しました。全国チェーンのビジネスホテルとは別の土俵で勝負します。脱ビジホ。築40年になるホテルを今後10年以上続けていくため、△千×百万ほど借り入れし、私の退路も無くなりました(大袈裟?)。ダーウィンではありませんが、生き残るのは変化できるもの。生き残れるためどうか皆さん応援して下さい
。]とある。
悲壮感すら感じるが、この英断に拍手を贈りたいと思う。今や旅行の主流は個人客、特に函館で人気を集めている宿をネット予約サイトで調べると個性的な宿が多い。
たとえば、じゃらんで調べると「ヴィラ・コンコルディア」、「箱館元町の宿 饗場」、「ガーデンハウスCHACHA」、「函館元町ホテル」など客室数が20以下のペンション型宿の評価が高い。また、「ラビスタベイ」、「ウイニングホテル」、「HAKODATE男爵倶楽部」など都市型リゾートホテルの人気も高く、これらは個人客、特に女性を含めた家族客やグループ旅行・カップルに人気があるようだ。
家族的な小宿やリゾートタイプに人気が集まる都市は北海道では函館だけと云ってよいであろう(富良野が多少似ているが、あそこは観光オンリーなので比較対象にならない)。北海道全般の傾向として、個人宿(小宿)の評価が低く、数も少ないのだが函館は状況が変わってきている。やはり、キーワードは個人客・家族客・女性客・女性グループである。
駅に近く、観光定番・朝市に近く、リーズナブル。ポジショニングとしては間違っていないのでは。ニューオーテは大型連休前にリニューアルオープンする予定だ。
管理人は地場資本の宿に出来るだけ泊まり、特に家族経営のような宿を大切にしたいと心がけている。成功を祈りたい。
なお、この「ホテルニューオーテ」の試みについては、御馴染みの「HAKODADIⅡ」さんでも紹介されている。

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