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閑散化した日勝峠、高速道路の延伸と無料化は「ストロー化現象」を引き起こすことを忘れてはならない

6月下旬に始まった高速道路の一部無料化で、絶え間なく行き交っていた車両が激減したマチがある。札幌と道東を結ぶ国道274号にある日勝峠のふもと、日高管内日高町日高地区(旧日高町)。道東道に通行車両の多くが流れたことで国道沿いの飲食店などは売り上げが減少、店主らは突然の変化に困惑している。(8/8付 道新)

お盆の帰省真っ只中であるが、高速道路無料化の影響が出ている。道の駅「樹海ロード日高」の今年7月の入場者数は、前年同月より55%減の2万5千人まで落ち込んでいる。こうした現象は、道央道が並行して走る国道12号や275号沿いの空知管内中部の道の駅などでも顕著で、高速道路無料化が地元商店などに与える影響は各地で広がっている。
道東道が全通すれば、かつては中山峠と共に観光休憩のメッカであった日勝峠の落ち込みはさらに進むであろう。国道12号線の場合も無料化が続く限り、同じであろう。
道路の起点と終点が発展して、中継地点が衰退することを「ストロー化現象」を云う。コップとストローの関係に例え、求心力のあるところへ吸い取られてしまう現象を指す言葉だ。
「ストロー化現象」には、いくつかパターンがあるが定義としては、
1.ある交通網の分岐点が発展して分岐先が衰退する。
2.ある交通網の起点・終点が発展して中継地点が衰退する。
3.ある交通網の中で規模の大きい都市が発展して小都市が衰退する。
たとえば、東京湾アクアラインの開通で千葉と対岸の川崎・横浜とは数十分で結ばれた。この結果、千葉方面の商圏が京浜地区に移り、木更津の商店街はシャッター商店街化してしまった-また、本四連絡橋の開通で、四国の商圏が関西地区に移ってしまったなど交通網の発達は大きい都市に恩恵を与え、小さい都市には損害を与える・・・
北海道を例にすれば、交通網の発達により、室蘭市、苫小牧市、小樽市などが札幌市経済圏に入り、丸井今井の閉店が示すように地域経済の衰退が進む結果となった。
特に高速道路や新幹線が開通すると沿道(沿線)の都市の衰退が進む。12月に東北新幹線が青森まで延伸するが、今までの終着駅・八戸は単なる通過駅になるので衰退が危惧される。青森方面からの新たな需要で、仙台などは恩恵を賜るが、盛岡となると?である。
便利になればなるほど、弱い立場にあるものが損をするのがストロー化現象だ。
交通網の発達は、スピード化の恩恵と共に、更なる地域格差や一極集中による弊害を生むことを忘れてはならない。

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