別府温泉がこのところ頑張っている。かつては日本を代表する温泉レジャースポットであったが湯布院や黒川などの人気もあり、次第に観光客が減少。大型ホテルの倒産なども続いたが、地域を上げて再生に取組んだ効果が次第に出始め、ふたたび賑わいを取り戻しかけている。
今回紹介する「別府リバイバル旅行」は、別府温泉黄金期を知る人たちにもう一度来てもらおというプロジェクトだ。家族旅行・修学旅行・新婚旅行で訪れたコースを再訪し、親子3代で訪れるなどして新たな別府ファンを増やすという企画だ。
別府温泉では、温泉を核としたウェルネス産業を起こす事を目的で、各種の観光プログラムを提供する別府八湯温泉泊覧会(=オンパク)を10年前から立ち上げている。地域が一体となって再生へ向けたおもてなし事業を実施しているが、これが評判となり、現在では函館・湯の川温泉や上諏訪温泉など各地で同様な企画が行われている。
今回の「別府リバイバル旅行」もオンパクの延長線にあるものと考えてよいだろう。何しろ別府は資源とコンテンツが豊富である。湧出量日本一(毎分10万リットル)、源泉数日本一(2850本で国内の1割に相当)、共同浴場数日本一(160ヶ所)、毎日温泉に入る住民が7割など温泉関連は日本一のオンパレードである。宿泊施設も高級ホテルから貸間(湯治宿のこと)までほぼあらゆる種類の宿が存在する。
また、観光スポットや娯楽施設も多く、数日いても飽きそうもないが、人気になっているのが廃業したマンモスキャバレーを改造したライブハウス「ヒットパレードクラブ」である。60年代ポップスが中心だがまさに親子3代で楽しめる店である。
レトロ・昭和ブームは長く続いているが、最近若者に人気があるのがキャバレーである。既に古い映画の世界でしか存在を知らない世代だが、大人の遊園地のように見えるらしく、まさにリバイバルである。観光客の呼び戻しには、こういった強力な「武器」が必要である。
来年は関西-別府航路が開設されて100周年である。5月に「近代観光の幕開け・・・大阪-別府航路就航100周年と油屋熊八」と題して、別府観光の歴史について書いたが、古い遺産がリバイバルの形で生かされている。
こういったリバイバル企画だが、北海道でも出来ないであろうか。管理人は以前からカニ族やアンノン族世代をターゲットにしたリバイバル旅行に市場があると訴えてきた。1950-1960年頃生まれの世代だが、団塊よりは若く、新人類世代よりは上の世代だ。
もっとも北海道が賑わった頃、周遊券や長距離フェリーなどで長期間旅をした世代だが、そろそろリタイアも始まる。この層はもっとも旅行好きで、旅慣れているのが特徴だが、ターゲットにするには、具体的な動機付けが必要である。
別府のコンセプトとは異なるが、たとえばユースホステルや個人宿などと連携して、プロモーションを行ったらどうであろうか。実際、最近のユースホステルは50代が中心である。このあたりの市場を掘り下げろというのが管理人の考えである。
別府温泉、取り組み面白いですね。
ライブハウス「ヒットパレードクラブ」
こういう形のキラーコンテンツもあるのですね。
個人的な趣味は別にして、お客さんが楽しんでいる
姿が思い浮かびます。
ロングステイの時には温泉街に「図書館」があれば
いいなとも思います。貸し出しして宿泊先の
フロントで返却できれば便利です。
静かに過ごす人向きですが。
いつも貴重な情報のUPをありがとうございます。
rkさん、いつもコメントありがとうございます。
観光集客でキラーコンテンツがあると強いですね。年齢層に関係なく楽しめるものは意外と少ない気がします。動物がいちばん強いですが、昭和や昭和歌謡も狙えますね。
温泉街に図書館、賛成です。滞在型を増やそうと思ったら是非です。ホテル旅館によっては、ミニ図書館のようなものをたまに見かけますが、地域で宿泊者向けの図書館は魅力です。
余談、ひとりで温泉宿や旅館に泊まると、時間を持て余し、ロビーや廊下などに置いてあるその筋ご愛読の実話週刊誌やマンガをこっそり読んで時間を潰したりしてますが、一杯飲みながらあれは楽しいものです。