石狩「番屋の湯」が閉館・あのブームはどこへ行ってしまったのか

石狩「番屋の湯」が閉館・あのブームはどこへ行ってしまったのか


石狩浜から見た番屋の湯 この場所には昭和初期 幻のリゾートホテルがあった

札幌市の介護関係会社「ケアコミュニケーションズ」(滝野賢次郎社長)が石狩市弁天町に所有している日帰り温泉施設「番屋の湯」を10月15日で閉館することが7日、分かった。運営を委託している石狩市の企業が事業からの撤退を決め、収支改善が見込めないため。ケア社は売却を含め今後の活用方法を検討する。 (9/8付道新)

日帰り温泉「番屋の湯」は1995年に石狩市が開業した。日本海が一望できる立地が人気で、1999年ごろまでは年間50万人の利用があり、公共温泉の成功例として道内外の自治体から注目を集めていた。
※現在は運営会社が変わりオープンしています。番屋の湯公式サイト>>

しかし、2000年以降は利用者が低迷し、2006年に石狩市からケア社に売却された。ここ数年の利用者数は年間20万人前後と伸び悩んでいたという。従業員19人のうち、一部はケア社が継続雇用する。隣接する「ホテル番屋の湯」は営業を続ける。
初めて訪れたのは1997年だが、ちょうどピークの頃であり、芋を洗うような混雑であった。管理人は5月に久しぶりに「番屋の湯」に寄ってみた。その時は往時の賑わいはなかったものの、そこそこの入館者があったと記憶している。

公共温泉としては後発であったが、札幌近郊に位置し、海水浴やキャンプで賑わう石狩浜という立地が成功したのであろう。しかし、その後の急落ぶりには何が影響しているのであろうか。レストランや宿泊施設など手を広げすぎたようなかんじもするが、札幌市内に温泉付きのスーパー銭湯が増え、番屋の湯自体も複数経営が替わり、飽きられたのかもしれない。また、地域に根付けなかった理由も何かありそうだ。

この場所、昭和初期には「石狩海浜ホテル」というリゾートホテルがあったが、数年で姿を消している。番屋の湯のホテルは残るが、ふたたび砂上の楼閣になってしまうのか。
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